« 医療類似行為について | トップページ | 冠動脈の解剖(ミニレクチャー・自分用メモ) »

心エコーでみる冠動脈支配領域(ミニレクチャー・自分用メモ)

正常心エコーシェーマ:PSAX, A4C, A2C, A3C。まず、どれがどれか。

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/img_0264.png

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/img_0269.png

Posterior Medial Papillary Muscleが心室中隔側に描出されるのがA2C view。A2C viewでは左心耳も描出される。

A4C viewではAnterior Lateral Papillary Muscleが側壁側に描出される。

A3C viewでは、エコー断面はPMPMとALPMの中間にあり、原則としてPapillary Musclesは描出されない。

RCA領域、LCx領域以外はすべてLAD支配領域。

ポイントは、A4C viewではRCA梗塞やLCx梗塞による壁運動異常をみおとす可能性があるということ。

 

RCA支配領域の描出法:PMPMの基部。A4C viewからプローブを反時計回転させPMPMを描出すると、心室中隔側のBase部分がRCA領域になる。シェーマ的にはA2C viewの中隔側。Inferior wall(下壁

ココがRCA支配領域!

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/img_0267.png

(4CVではよくみえない!)

まれに、この下壁領域(Inferior)をLCxが支配している人がいる(人口の8%)。

 

LCx支配領域の描出法:PMPMとALPMの間。A4C viewからプローブを時計回転させ、ALPMをエコー断面から消すと、心室自由壁側のBase部分にLCx領域が描出される。シェーマ的にはA3C viewの側壁側。Inferolateral wall(前側壁。昔のPosterior wall(後壁))。

ここがLCx支配領域!

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/img_0266.png

(4CVではよくみえない!)

関連記事:後壁梗塞

 

壁の名称:Inferior(下壁)とPosterior(後壁)の場所に注目。

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/img_0265.png

それぞれについて、Base-, Mid-, Apical- がある。

A: Anterior

AS: Anteroseptal

IS: Inferoseptal = 昔のSeptal

I: Inferior(下壁) @PMPM --- RCA固有領域

IL: Inferolateral = 昔のPosterior(後壁) --- LCx固有領域

AL: Anterolateral @ALPM = 昔のLateral

A4C viewでは、AL(Lateral、側壁)とIS(Septal、中隔)が描出される。AL(Lateral、側壁)はRCAとLADの、IS(Septal、中隔)はLCxとLADのデュアルサプライをうけている。したがって、A4C viewだけではRCA梗塞やLCx梗塞による壁運動異常をみおとす可能性がある。

おすすめ記事

« 医療類似行為について | トップページ | 冠動脈の解剖(ミニレクチャー・自分用メモ) »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 医療類似行為について | トップページ | 冠動脈の解剖(ミニレクチャー・自分用メモ) »