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アメリカの乳がん診療 5 (USMLE対策)

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今回は、遺伝性の乳がんに関する内容です。

乳がんの5%に遺伝子が関与しています。

遺伝子が関係している乳がんは、若年(50歳以下)で発病することがほとんどです。

具体的には、乳がんと診断された母親のこどもや、乳がんと診断された患者の姉妹にどうするか・・・という問題になります。

おもに、若い20~30代女性の問題です。

乳がん遺伝子の影響を強く心配しなければならないのは、

1.50歳前(閉経前)に乳がんになった血縁者がいる人

2.母・姉妹・娘に2人以上、乳がんになった血縁者がいる人

です。

そのほかにも、家族に男性で乳がんになった血縁者がいる人や、卵巣がんの家族暦がある人にもBRCA遺伝子の関与が疑われます。

 

つまり・・・

母親と妹が乳がんですとか、血のつながった叔母が42歳で乳がんと診断されました・・・とかいう場合は遺伝子の検査が必要です。

反対に、

血のつながった叔母が60歳で乳がん・・・とか、母親(だけ)が乳がん・・・という場合は、遺伝子検査は不要です。

(乳がん遺伝子であるBRCA遺伝子は卵巣がんにも強く関係していますが、この記事では乳がんにフォーカスして述べます。)

 

ごくごく簡単に治療方法についても述べておきます。

BRCA遺伝子に変異が見つかった場合(約25%) →約40~50%の確率で乳がんを発症します。治療方針は以下の通り。

1.全く症状がなくても、予防的に「両側の乳房切除 + 両側卵巣摘出」をおこなう。これで発病は90%以上抑制される(つまり、リスクは一般の人と同じ〜より低くなる)。

2.乳房摘出を希望しない場合、タモキシフェンによる予防治療をおこなう。

(注 遺伝性の乳がんにはエストロゲン受容体がないことがふつうなのですが、にもかかわらず、なぜタモキシフェンの予防投与が効くのか、その理由はよくわかっていません)

3.乳房摘出を希望しない場合、マンモグラフィーと乳房MRIを毎年おこなう。遺伝子が関係する乳がんは発病年齢が低いため、必ず乳房MRIを併用する(マンモグラフィーと乳房MRIを6か月ごとに交互におこなうなど)。

 

注:最新のアメリカのガイドライン(USPSTF)では、遺伝子の変異がみつかっても(つまり、ハイリスクであっても)、マンモグラフィーによるスクリーニングは一般の人とおなじでよいと言っています(50歳開始、2年ごと)。マンモグラフィーは、ハイリスクの人におこる「通常」の乳がんを発見するのが目的だからです。遺伝性の乳がんは急に発生し、マンモグラフィーでは見つからないという考え方が背景にあります。このようにスクリーニングをすりぬけて発生するがんを、Interval malignancyといいます(適当な日本語訳がありません)。遺伝性の乳がんは典型的なInterval malignancyです。

 

濃厚な家族暦にもかかわらず、BRCA遺伝子に変異がなかった場合(約75%) →約20%の確率で乳がんを発症します。治療方針は以下の通り。

1.マンモグラフィーと乳房MRIを毎年おこなう。遺伝子が関係する乳がんは発病年齢が低いため、必ず乳房MRIを併用する(マンモグラフィーと乳房MRIを6か月ごとに交互におこなうなど)。→上記の注 参照

2.マンモグラフィーやMRIが正常であっても、乳がんの予防目的でタモキシフェンを使う。

3.両側の乳房切除術も考慮。ただし、卵巣がんの家族暦がない限り、卵巣摘出は積極的にすすめられない。

~~~

Q: 乳がんの治療にタモキシフェンを使っている患者さんに経血がみられました。何を心配しなければいけませんか?

A: 次の回へ

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