How to read ECG 心電図の読み方 4 (自分用メモ・ミニレクチャー用)
2.水平位心
I, aVL, V6にq波やQ波があります。
II, III, aVFにS波があります。
四肢誘導では、こんな心電図です。

II, III, aVFのS波が深い場合、左軸変位の心電図になることがわかるでしょうか?
実際、心臓が水平位になると、左軸変位をきたしやすくなります(下図参照)。
心臓が水平位になると反時計方向回転(good R progression, early
transition)をおこしやすいからです。
その結果、次の図のようにQRSの終末電位が左方(上方)へむかい、左軸偏位をきたします。
(注:II、III、aVF(特にIII誘導)の深いQ波による左軸変位の場合、胸部誘導は時計回転のことが多いです)

心臓が反時計方向回転をおこせば、次の図のように、V1とV6のR波が高めにでることに注目してください。
まとめると、水平位心に反時計方向回転を伴った心電図は次のようになります。
V1~V6のやたら高いR波がめだつ場合(Early transition, good R wave progression)、V1とV6のR波は反時計方向回転の結果に過ぎないかもしれません。
反時計方向回転がある場合、V1とV6のR波は控えめに捉えたほうがいいでしょう。
右室肥大の診断は、V1のR波よりも、V6のS波を重視します。
左室肥大の診断は、V6のR波よりも、V1のS波を重視します。
読む手順として、V6に、IやaVLと同じ波形、つまりq波を予測します。
予測したとおり、V6にq波があれば反時計方向回転を予測します。
V1に高いRがあれば反時計方向回転をサポートします。
V6にq波があるのにV1に高いRがなければ「なぜ?」と思うセンスが必要です。
V6にq波があるのに、V1のRが低ければ有意であり、左室肥大(V1に深いS波)や、前壁梗塞(V1にQ波)を積極的に疑っていいと思います。
左軸変異がありながら反時計回転をともなわない場合、左脚前枝ヘミブロックを疑います。
左脚前枝ヘミブロックでは、左脚前枝ヘミブロックではV6に深いSがあります。かならずV6のq波かV1のr波のどちらか(正常中隔波)が認められます。
その他、水平位心における側壁誘導(I, aVL, V6)のQ波は正常所見です。
しかし、水平位心における下壁誘導(II, III, aVF)のQ波は有意所見です。
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