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さぁ、大変。医学部の2023年問題! 2

医学部が2分極化されればまだいいほうで、日本のどの医学部もWFMEに認証されない、という恐れがあるのです。

知り合いから聞いた話では、東京大学医学部、慶応大学医学部などの日本のトップレベルの医学部が、WFMEに認証されるべくメンツをかけてカリキュラムの改定をおこなっているそうですが、国際認証には程遠い状況だそうです。

当然かもしれません。

アメリカの医学部の学生は4年制の大学を卒業した大学院大学レベル。医学部でクラブ活動などを楽しむ余裕はなく、毎日、夜中の12時過ぎまで勉強しているのです。

入学して1年後には実際に病院に出務し、実地臨床をこなします。医学部2年生ともなると、夜中にERを受診したこどもをてきぱきと診療し、親に予後の説明をして帰宅させるのです。卒業するまでには傷の縫合や骨折の整復などもたくさん経験します。一晩に4,5人の入院を担当し、カルテも記載しますし処方箋も書きます。プレゼンテーションもほぼ一人前です。学生であることを示す白衣(学生の白衣は丈が短い)を着ていなければ、研修医と区別がつかない学生もいます。

一方、日本の医学部生は、高校を卒業後すぐに医学部に入学するため―――、

まるで、高校受験で深く傷ついた心身回復リハのような6年間をすごします(苦笑)。西医体や東医体ではおもに首から下を重点的に鍛えるため、卒業時にまだ診察の仕方がよくわかっていません。骨折や外傷の患者さんがきても、 ほとんどの場合オロオロして何もできません。

傷の縫合ができないばかりか、問診に異常に時間がかかる、処方箋は書けない、カルテを書くのに時間がかかる、プレゼンが的を得ない、ひとりではプランをたてることができない・・・

日本人がアメリカ人に劣っているとは思えません。

いったい、何がこの差を生みだしているのでしょうか?

アメリカにいる複数の医学教育の専門家によれば、 日米のこの差はすぐには縮まらないだろうというのが一般的な見方です。

おそらく今すぐに日本の医学教育を改定してもアメリカに追いつくまでに10年はかかるのではないでしょうか。

へたをすると、どんなに優秀でも日本の医学部を卒業しただけではアメリカへの臨床留学は不可能ということになりかねません。

ところが、日本の医学教育部門の先生たちは「なぜか」この問題をかなり楽観視しているむきがあります。

このままでは早期の頭脳流出につながりかねないというのに・・・

日米の医学部卒業生には埋まらないほどの大きな差がある・・・

そんな事実が知れわたれば、志が高い日本人は、直接、アメリカの医学部に進学するようになるかもしれません。

今の時代、このような情報については若い人たちのほうが遥かに敏感なのです。

そうなると・・・

日本の医学部に進学するのは「負け組」なのでしょうか?

 

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