【図解】長浜ラーメン 元祖はどっち? 長浜屋? 長浜家?
「長浜ラーメンってどこがおいしいの?」
「長浜ラーメンあちこち元祖があるけど・・・どうなってん?」
「長浜ラーメン、よくわかんないよ!」
ですよね!
長浜ラーメンってほんとわかりにくいです。
現地の店はどれも似たり寄ったり(o_o ;)
ネットの情報もバラバラで・・・
自分が食べた店がどの店だったのかいまだに謎 (;´゚д)
なんて話もよく聞きますーーー 。゚゚(*´□`*。)°゚。
そんなカオスな話の中で最もわかりにくいのが元祖論争でしょう。
「長浜ラーメン、こっちが本物!」「いやいや、ほんとのルーツはこっち!」
みたいな話です。
この状況を言葉で説明できる人はいないと思います ┐( ´ o ` )┌
そこで、本記事では、この問題を絵(地図)を使って解説してみたいと思います。
まずは、こちらのマップ(長浜界隈)をごらんください。ここらへんがいわゆる長浜界隈です(*^-^*)。
福岡市中央区にある「浜の町公園」が目印です。
そして、下の図の矢印の通りがみんな知ってる「屋台通り」(舞鶴港線)。むかしはここにズラリと屋台が並んでいました。「一心亭」、「しばらく」、「昇龍軒」など、そうそうたる屋号はみんなこの「屋台通り」から発展しました。長浜ラーメンのルーツといっても過言ではないでしょう。
しかし、これらの屋台はもうここにはありません ( T . T )
ネットで屋台を検索するとココが表示されたりしますが、今、屋台があるのは別のところです(後述します)。
さて。
屋台が成功すると店舗になったりしますが、その第一号ともいえる「長浜屋」の店舗、元祖長浜屋(通称「ガンソ」「ガンナガ」)があった場所はここ(下図)です。
今の元祖長浜屋は別のところにありますが、以前はここにありました。今でもネットで検索するとここが表示されたりするようですのでご注意ください。
そして、あの一世を風靡した元祖長浜屋の「支店」の場所はここです(下図)。
みんな「支店」と呼んでました。福岡で「支店」といえば元祖長浜屋の「支店」です。支店のメニューはラーメンのみ。入店したらラーメンではなくスープの脂の有無、麺の固さ、ネギの量を注文します(「ナシ・ナマ・モリ」など)。管理人は脂の有無を注文したことはなく、いつも「バリカタ、ネギモリ」と注文していました(元祖長浜屋ではバリカタと言わずナマだそうですが・・・べつにどっちでも通じます)。那の津通りに面して店の正面に駐車場もあり、たぶん、駐車場のない本店より有名でした。芸能人や日本中からお客さんが集まりました。長蛇の列がなつかしい。
しかしーーー。
あれほど盛況を期した「支店」はもうここにはありません。元祖長浜屋「支店」を検索するとここが表示されるかもしれませんが、今、ここにラーメン屋はありません。レビューやネットの情報は古いものが多いので注意しましょう。本店も支店も情報が錯綜しています。そして…
元祖長浜屋「支店」の前(那の津通りをはさんだ向かい)には、当時、屋台で人気のあった「とん吉」の路面店(長浜とん吉総本店、24時間営業)がありました。このお店、けっこう人気があったのですが、後々、この場所が問題になります(と言っても、「とん吉」が問題になるわけではないのですが・・・)。
元祖長浜屋は、ラーメン以外にメニューがなくラーメン食べたら即退店という、まさにラーメン専門店ですが、「とん吉」はビールやお酒のほか、ちょっとした御つまみ(焼き鳥、餃子、おでんなど)を楽しめるラーメン居酒屋みたいなお店でした。藤井フミヤさんのお気に入りだったという噂も。定食(とんかつ定食とかホルモン定食とか)もありました。「とん吉」のラーメンは元祖長浜屋より少し甘め。コクがあり、初めての人には一番人気だったかもしれません。ラーメンの麺の硬さを注文するとき、元祖長浜屋の"ナマ"は「とん吉」やその他のラーメン屋では"バリカタ"といいました。
そんなさなか・・・
2007年6月、元祖長浜屋が本店・支店ともに経営の危機に瀕しているというウワサが飛び交います。まもなく噂は現実なものとなり、6月14日、元祖長浜屋の両店とも同時休業となりました。これには地元民もびっくり。地元メディアにも取り上げられるほどの騒動となりました。大げさかもしれませんが再開存続を願う署名運動もおこりました。6月29日に再開となった際は、みんなで胸をなでおろしたものです。
しかし・・・
2008年4月8日、ついに元祖長浜屋「本店」がなくなってしまいます(おもてむきの理由は建物の老朽化と2005年の西方沖地震の影響のための解体。うわさでは新社長と従業員の内輪もめ?)。しかし本店がなくなっても支店はそのまま「支店」という看板で存続しました。まるでどこかに本店があるかのような感じで。案の定、本店をもとめてさまよう旅行者が続出したとか・・・そうこうするうち
2009年9月1日、ついに元祖長浜屋「支店」も休業にはいります(理由は、内装工事のため?)。9月28日に再開しましたが、営業時間が大幅に短縮されました(午前6時〜午後13時40分に)。24時間営業っていうのが長浜ラーメンの伝統だったのに。いよいよ「支店」もやばいなぁ〜とみんなで心配したものです。すると・・・
2009年12月12日、もともと「とん吉」があった場所に、突如、長浜家というお店が開店しました。元祖長浜屋の超ベテラン従業員が独立したのです。これで、俄然、話がややこしくなりました。どちらが元祖か?という論争です。なんとなく経営がやばい感じの長浜屋に対して、ベテラン従業員が伝統を受け継いだ感じの長浜家。これらが那の津通りをはさんで真っ向から対立したのです。24時間営業を踏襲したのは長浜家です。はじめて長浜を訪れた人たちに状況の理解は不可能だったと思います。どちらが元祖か?なんて話より、そもそも違う店なのかどうかさえわからなかったはずです。登録されている読み名はどちらも「ながはまや」ですし。
味は、長浜屋より長浜家の味の方がちょっとだけ甘いダシが効いた感じでしょうか。しかし、ネットのレビューは"場所"にリンクされているため、新しくできた「長浜家」のレビューと、もともとそこにあった人気店「とん吉」のレビューが混在しています。その上、通りを挟んだ長浜屋を長浜家だと勘違いして紹介しているレビューもあり、カオスです。有名人が長浜家のことを長浜屋のごとくに紹介してしまったり。どちらの店名にも元祖とついているので、「ガンソ」や「ガンナガ」では、どっちのことを言っているのか・・・。地元民ですら何が何だかわからない状態になりました。長浜家を「ながはまけ」と呼んだりしてなんとか区別しようとしました。すると・・・
2010年3月14日、なんと元祖長浜屋の「支店」が閉店してしまいます(理由は、区画整理に伴う道路拡張工事のため)。ついに長浜屋はなくなり長浜家のみとなりました。当然ですが、長浜屋だと思って長浜家を訪れる旅行者が続出したそうです。しかし、まぁこれで元祖論争もピリオドか?と思われました。ところが・・・
2010年4月6日、なんと長浜家とまったく同じ名前の店がもうひとつできたんです。分家や支店でもないのに全く同じ名前です。これにはみんな混乱しました。せっかく落ち着きかけた元祖論争も元の木阿弥です。お店同士も訴訟騒ぎとなり、地元のニュースにもなりました。みんな通称、家1(けいち、いえいち)とか、家2(けに、いえに)とか、よんで区別してました。味は、後から出店した家2の方が、家1よりさらに甘めで、脂が効いた感じでしょうか。そこに・・・
2010年5月10日、元祖長浜屋が復活します。本店・支店の統合リニューアルオープンです(ただし24時間営業ではなく、午前4時〜深夜2時)。場所はもともと本店があったところの近くです。同じ店が復活したのかどうかさえよくわかりませんでした。復活した元祖長浜屋の味は、他と比べれば薄くあっさり味に感じられます。それにしても、わかりくいことこの上ありません。元祖論争も完全に復活しました。三つ巴です。すると・・・
2016年6月1日、長浜家の家2が福岡市博多区の中州へ移転しました(営業時間は午前10時~29時(早朝5時))。これで問題は少しは緩和されたでしょうか。しかし、いったい元祖はどこなのか?よくわからないという状況にかわりはありません。
人気の屋台「とん吉」の場所を書き加えると、今の状況はこんな感じです(その後「とん吉」はなくなってしまったようですが…)。
今の情報だけ知りたい!って人には最後の地図だけで十分かもしれませんね。
でも、自分が以前食べた店がどこだったのかよくわからない、なんて人にはこの記事が少しは役立つかもしれません。
ネットには新旧の情報が錯綜しています。
ちなみに、いま、屋台が並んでいるところはココです(長浜臨港線)。
2016年2月、舞鶴港線沿いの屋台は、いっせいにこちらの通り沿いに移転しました。
この新しい屋台通りは、福岡市が屋台のために専用の電気、上下水道を完備させ、安全な歩道幅を確保、公衆トイレも整備したという鳴り物入りの屋台専用ストリートです(※福岡市が2000年(平成12年)に制定した屋台指導要綱、さらに2013年(平成25年)に施行された屋台基本条例による開発措置)。なんですが、面している通りが大きいため、薄暗かった旧・屋台通りと比べるとなんとなく風情にかけるというか、交通量が多いし、エンジンの音もうるさいし、のれんの隙間からもれでてくる笑い声・・・なんて聞こえないし、新しい街灯があかるすぎるし提灯は目立たないし、広々として綺麗すぎるし、酔っぱらうと車道にふらふら出てしまいそうで危なし、なんか落ち着かないというか、屋台通りとして、どうなんでしょう?文句ばかり言ってすいません、市長(苦笑)
清潔で安全という点では大成功していると思います。
・・・と心配していた矢先、2020年以降コロナ禍の影響で客足が激減、ついに屋台は全滅!?・・・新しい屋台通りはいきなり存亡の危機に瀕しました。しかし!2023年6月より大々的に復活する予定となっています。どんな屋台群が立ち並ぶんでしょうね?楽しみです!
さぁ、これであなたも長浜ラーメンの達人ですね!٩(。˃ ᵕ ˂ )وイェーィ♪
福岡によられた際は、ぜひ、立ち寄って感想などコメントよろしくお願いします!
なお、今の屋台はどこでも夕方以降の開設ですので昔みたいに昼間に行ってもありません。それだけはご注意を。
記事中、間違いや訂正が必要な箇所があればコメント欄などでご指摘お願いいたします。
追記1
あくまで個人的にですが、初めての人へのおすすめの店舗は
1. 屋台「とん吉」本店
2. 元祖長浜家 中洲店
3. 長浜ナンバーワン(屋台「昇龍軒」が屋台「長浜ナンバーワン」となり、それが店舗化したお店。この記事では紹介していません)
4. 元祖長浜家 長浜店
5. 元祖長浜屋
かな。とくに、お酒の後の〆のラーメンとしてはこの順番だろうと思います。
しかし・・・
週に何度も通う人に好みをきくと、
1. 元祖長浜屋
2. 元祖長浜家 長浜店
3. 長浜ナンバーワン
4. 元祖長浜家 中洲店
5. 屋台「とん吉」本店
と、さきほどのおすすめと真逆になったりします。
なぜ?と言われると難しいのですが、たとえば前述した元祖長浜屋のラーメンは、早朝の時間帯を除き、スープが薄いんです。行きつけている人でも体調や時間帯によっては「え?」と感じられるほど。初めての人にはインパクトに欠けるというか、その良さがまったく伝わらないかもしれません。しかし、食べ慣れると、ここに行き着くとも・・・。もはや白ご飯感覚でしょうか。
さらに言うと
博多っ子は、もともと一杯300円程度のシンプルなラーメンこそラーメンだと考えていて、グルメっぽいラーメンを敬遠する傾向にあります。映える(具が豪華、多い)、美味しすぎる(化学調味料のうま味がする、甘い)、注文してもすぐでてこない(1分以上待たせる)、値段が高い(500円以上)・・・なんてラーメンはラーメンにあらずと豪語する人もいます。
なので、地元の人のおすすめはそのつもりで聞きましょう。
長浜ラーメンは博多ラーメンにくらべるとあっさりしていて紅ショウガがとてもよくあいます。
追記2
屋台条例発令前後に旧・屋台通りに並んでいた屋台・・・管理人の記憶の中、うろ覚え(覚えている人、ぜひ、情報をコメント欄にご提供ください)
ナンバーワン(旧・昇龍軒)
ロングビーチ ・・・ 日向赤鶏の塩焼き!
若大将 ・・・ 涙の雫(トマトのベーコン巻き)!
めん吉
とん吉 二代目
安さん ・・・ 餃子!
とん吉 港一番
とん吉 本店
とん吉 満月 ・・・ めんたいイワシ!
とん吉 一休 ・・・ やきとり!
やまちゃん ・・・ おでん!
とん吉 茶屋
とん吉 分家
さよ子
焼肉 繁
天ぷら屋
魚繁
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20年ほど前まで博多に住んでいました。
営業でシーホークに行く途中によく立ち寄っていたのを思い出します。
当時はまだ元祖長浜屋しかなかったので迷わなかったですよね。
とん吉も時々食べてましたが、やっぱり元祖が1番印象に残ってます。
行く時間帯によってもスープの濃さが少し違ってたりもして、いつの間にか病みつきになってました。
あと好きだったお店は丸星ラーメンです。
大学時代はサークル終わりによく行ってました。
おばちゃんがゆびを突っ込んで運んでくるのには驚きましたけど。
あの頃は一蘭でも高いなーと思っていましたが、今では1000円近いラーメンでも普通になりましたね。
久しぶりに福岡に行きたくなりました。
投稿: さら | 2021/05/09 20:47
ふと調べたくなったことが全て+α書いてあり大変参考になりました。
投稿: | 2022/04/05 07:35
昔大学時代に地元の友達とよく夜中に車で食べに行った長浜ラーメンをまた食べたいとたまに福岡に帰った時に長浜ラーメンと書いてあるお店で食べますがなんか違うな…と思い現地に行ってもどれだかわからず帰ってきていたので今度行く時は迷わず元祖長浜屋に辿り着けそうです。深謝申し上げます(^^)
投稿: すー | 2022/04/06 14:35
20年ほど前に博多に住んでいました。
今は大阪住みなんですが、なんしようと?を観てたら「元祖長浜家」が出てきて、「懐かしいなー」と思ってたら場所もいつも行ってた場所(支店)と違うし、よく見たら名前も微妙に違う。
気になって調べたらこちらの記事にたどり着きました。
私が引っ越してからこんな変遷があったことにビックリ!
なんか三国志みたいですね。
よく深夜や営業の途中に支店で食べたのを思い出しました。
支店は駐車場があって行きやすかったんですよね。
時間帯によってスープの濃さが違ったりして、そこがまた良かったりして。
いつか食べ比べてみたいです。
投稿: さら | 2023/10/26 00:28