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2019/03/08

【科学】ベクレルをシーベルトに換算する方法

リンク

シーベルトとベクレルの違い

アルファ線 β線 ガンマ線 の違い

 

ベクレルからシーベルトへの換算

被爆には外部被曝と内部被曝があります。

外部被爆は距離をあけることによって減らすことができます。

例えば、100万ベクレルのセシウム-137による外部被爆は、1mはなれると約1.9マイクロSV/24時間(約0.7 mSV/年)程度、100万ベクレルのセシウム-134なら、1mで約5.5マイクロSV/24時間(約2 mSV/年)程度に減弱できます。

しかし、放射性ヨウ素やセシウムなど、体内にとりこまれ、身体の内部から被爆をおこす物質に対しては、距離のとりようがありません。

一度、身体の中に入ると、被爆は長時間におよびます。


参考

ヨウ素131:物理学的半減期 8.04 日、生物学的半減期 137日、実効半減期 7.56年

セシウム134:物理学的半減期 2.06 年、生物学的半減期 70 ~ 100日、実効半減期 64 ~ 88日

セシウム137:物理学的半減期 30.17 年、生物学的半減期 70日、実効半減期 69.6日


外部被爆では、自然界にもともと存在する放射線(約1 mSV/年)に加えて、プラス1 mSV/年(つまり合計 約2 mSV/年)をこえるとダメ・・・とかいわれていて。

このプラスの部分がどれぐらいか?ほんとうにプラス1 mSV/年でいいのか?

というのが議論の的にもなっています。

ですから、放射線測定器で環境のシーベルトを測定したりして高いとか低いとか、外部被爆をあらわすシーベルトという単位はずいぶん市民権を得ています。

 

一方、内部被爆によるダメージはとてもわかりにくいです。

いったい、どの程度の内部被爆が、やばいのでしょうか?

どれくらいのベクレルを体内に取り込むと、外部被爆1 mSV/年に匹敵する内部被爆がおこるのでしょうか?

そもそも、シーベルトとベクレルの違いもよくわかりません。

 

外部被爆と内部被爆(つまり、シーベルトとベクレル)について、いろいろ調べてみると、以下のようなことがわかりました(成人の場合)。


ヨウ素-131(吸入): 10,000 Bq = 0.074 mSV

セシウム-134(吸入): 10,000 Bq = 0.066 mSV

セシウム-137(吸入): 10,000 Bq = 0.046 mSV

ヨウ素-131(経口): 10,000 Bq = 0.22 mSV

セシウム-134(経口): 10,000 Bq = 0.19 mSV

セシウム-137(経口): 10,000 Bq = 0.13 mSV


この意味は、ちょっと複雑で・・・

たとえば、下から二行目、

セシウム-134(経口): 10,000 Bq = 0.19 mSV

というのは・・・

10000Bqのセシウム-134を1回だけ食べる 

→ すると、その後、体内で延々と長い間にわたる内部被爆がおこる 

→ そのダメージをシーベルトに換算すると50年間で累計0.19mSV相当である

ということです。

50年間で!

です。

(実際には、被爆の程度は摂取直後が最も大きく、次第に減衰していくため、0.19mSVの内部被爆のほとんどが最初の2~3年でおこります)

 

これを、

10000Bqのセシウム-134を、1回だけ食べる

→ その1回で、一瞬のうちに0.19mSVの被爆をうける

と考えて換算すると、

セシウム-134(経口): 10,000 Bq/回 = 0.19 mSV/回

と、いうことになります。

こうやって、1回の摂取によっておこる「50年間の被爆」を「1回の被爆」としておきかえたものが、あちこちの文献でよくみる次のような換算です。


ヨウ素-131(吸入): 10,000 Bq/回 = 0.074 mSV/回

セシウム-134(吸入): 10,000 Bq/回 = 0.066 mSV/回

セシウム-137(吸入): 10,000 Bq/回 = 0.046 mSV/回

ヨウ素-131(経口): 10,000 Bq/回 = 0.22 mSV/回

セシウム-134(経口): 10,000 Bq/回 = 0.19 mSV/回

セシウム-137(経口): 10,000 Bq/回 = 0.13 mSV/回


この換算をさらにすすめていくと・・・


ヨウ素-131(吸入): 1 Bq/回 = 0.0000074 mSV/回

セシウム-134(吸入): 1 Bq/回 = 0.0000066 mSV/回

セシウム-137(吸入): 1 Bq/回 = 0.0000046 mSV/回

ヨウ素-131(経口): 1 Bq/回 = 0.000022 mSV/回

セシウム-134(経口): 1 Bq/回 = 0.000019 mSV/回

セシウム-137(経口): 1 Bq/回 = 0.000013 mSV/回


ここで。

一回であびる放射線量(人体への影響)は、

東京-ニューヨーク往復:0.1mSv - 0.2 mSv/往復

胸部X線写真:0.05 mSv/枚

胃透視:8 mSv/回

CTスキャン:7-10 mSv/回

などということがわかっていますので、これと比べてみると、1 Bqに1回さらされたときの危険性が実感できると思います。

たとえば・・・

セシウム-134(経口)1 Bqなら、10万回くりかえして摂取して1.9 mSVの被爆です。

セシウム-134(経口)100 Bqなら、1000回のくりかえし摂取で1.9 mSVの被爆です。

セシウム-134(経口)100 Bqのものを2、3回食べてしまっても、ほとんど人体への影響はないと考えられます(あくまでも、この計算上)。

合計100 mSVをこえてくると、危険ではないか?

と考えると、おもったより、たいしたことない

ってのが実感ではないでしょうか。

さらに、この計算をすすめると・・・


ヨウ素-131(吸入): 1 Bq/日 = 0.0000074 mSV/日

セシウム-134(吸入): 1 Bq/日 = 0.0000066 mSV/日

セシウム-137(吸入): 1 Bq/日 = 0.0000046 mSV/日

ヨウ素-131(経口): 1 Bq/日 = 0.000022 mSV/日

セシウム-134(経口): 1 Bq/日 = 0.000019 mSV/日

セシウム-137(経口): 1 Bq/日 = 0.000013 mSV/日


ヨウ素-131(吸入): 1 Bq/日 x 365日 = 365 Bq/年 = 0.00210 mSV/年

セシウム-134(吸入): 1Bq/日 x 365日 = 365 Bq/年 = 0.00201 mSV/年

セシウム-137(吸入): 1 Bq/日 x 365日 = 365 Bq/年 = 0.00168 mSV/年

ヨウ素-131(経口): 1 Bq/日 x 365日 = 365 Bq/年 = 0.00803 mSV/年

セシウム-134(経口): 1 Bq/日 x 365日 = 365 Bq/年 = 0.00693 mSV/年

セシウム-137(経口): 1 Bq/日 x 365日 = 365 Bq/年 = 0.00475 mSV/年


ヨウ素-131(吸入): 135,135 Bq/年 = 1 mSV/年

セシウム-134(吸入): 151,515 Bq/年 =1 mSV/年

セシウム-137(吸入): 217,391 Bq/年 = 1 mSV/年

ヨウ素-131(経口): 45,455 Bq/年 = 1 mSV/年

セシウム-134(経口): 52,632 Bq/年 = 1 mSV/年

セシウム-137(経口): 76,923 Bq/年 = 1 mSV/年


これは、52632 Bqのセシウム-134を1回だけ食べると、最初の1年間だけ1mSV被爆するのと同じ

ということをあらわします。

(概念上は50年間で総計1mSVの被爆なんですが、それを1年間で1mSV、その後の被爆はなしと考えます。後でもう少し詳しく解説します)

こうしてやっと、最終的に、以下の換算にいきつきます。


ヨウ素-131(吸入): 370 Bq/日 x 365日 = 1 mSV/年

セシウム-134(吸入): 415 Bq/日 x 365日 =1 mSV/年

セシウム-137(吸入): 596 Bq/日 x 365日 = 1 mSV/年

ヨウ素-131(経口): 125 Bq/日 x 365日 = 1 mSV/年

セシウム-134(経口): 144 Bq/日 x 365日 = 1 mSV/年

セシウム-137(経口): 211 Bq/日 x 365日 = 1 mSV/年


いいかえると・・・

セシウム-134(経口): 144 Bq/日 x 365日 = 1 mSV/年

というのは、

→ 毎日144 Bqのセシウム-134を365日たべ、その後、ぴたっと食べるのをやめる

ということで、

→ 52632 Bqのセシウム-134を1回だけ食べる

というのと同じ。

→ 食べるのをやめても、その後、50年間にわたる内部被爆が継続している

→ そのダメージを、ひっくるめて累計計算で50年で1mSVのダメージになる

と考えられます。

 

すなわち、

1日144 Bqのセシウム-134を365日毎日たべたときの内部被曝は、

その後50年間でトータル1mSVってこと。

1 mSV/50年

です。

が、

しかし、細かいことを言うと、

1 mSV/50年 (50年間で1mSV被爆する)

ってのは、

1mSV/1年 + 0mSV/49年 (最初の一年で1mSV被爆し、残りの49年はゼロ被爆)

と区別できません。

もっと極端なこと言うと、

最初の1秒で1mSVのダメージを受け、その後50年間被爆がない状況

とも区別できません。

さらには、

最初の3年間のみ1mSVのダメージを受け、その後47年の被曝はゼロ

とか、

最初の3年間で0.7 mSVのダメージを受け、その後の47年で0.3 mSVの被曝

とも区別がつきません・・・

 

なので、結局、

1日144 Bqのセシウム-134を365日毎日たべたときの内部被曝は、

最初の1年間で1mSVのダメージを受け、その後の影響は死ぬまで(=およそ50年)ない・・・

ってことにした換算表が


ヨウ素-131(吸入): 370 Bq/日 x 365日 = 1 mSV/年

セシウム-134(吸入): 415 Bq/日 x 365日 =1 mSV/年

セシウム-137(吸入): 596 Bq/日 x 365日 = 1 mSV/年

ヨウ素-131(経口): 125 Bq/日 x 365日 = 1 mSV/年

セシウム-134(経口): 144 Bq/日 x 365日 = 1 mSV/年

セシウム-137(経口): 211 Bq/日 x 365日 = 1 mSV/年


です。

もし、1日144 Bqのセシウム-134を、毎日10年間たべると?

毎年1 mSVの被曝が10年間つづき、その後の影響は死ぬまで(=およそ50年)ない

と考えます。

なるほど、よくよく考えると、辻褄はあっているんですが、何か騙されているような・・・

ん~

いずれにしろ、学者さんの考えていることは、なんとまぁ、わかりにくいことこのうえありません。

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