【政治】まるわかり 国家の仕組み・国家の作り方マニュアル
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みなさん、政治の仕組みってわかります?
だいたいそういうの調べると、必ずでてくる この図・・・
(Wikipediaより)
しかし、この図ってなんか・・・
わかりにくいと思いませんか?
みなさんも学校で習った覚えがあると思いますが、これが国家の仕組みだ!
と言われても、何かわかったようでわからないんですよね、この図・・・
いや、わかる!
という人はOKです。少なくとも、この記事、読む必要はございません💦
この記事は、そういう、国家の仕組みがいまいちわからない・・・
という人のために、
国家の基本的な仕組みについて解説したものです。
わかりやすくするために、正確さを犠牲にしましたが、これを読めば誰でも小さな国を創ることができるかも?と勘違いできるほどわかりやすく解説したつもりです(◎´∀`)ノ
行政府(Executive)
実は、国家には、必ずしも、立法・司法・行政の3つの府が必要なわけではありません。
極論すれば、政治をおこなう「行政府」さえあればよいのです。
これで、この記事は完了と、言ってもいいほどです(苦笑)。
行政府は"2階建て"です。
上部組織を内閣(Cabinet)とよび、下部組織を官僚(事務局)とよびます。
上部組織(内閣)が下部組織(官僚)を動かして政治をおこないます。
上部組織(内閣)のリーダーが首相です。
首相は、すごい人事権を持っています。
大臣や政務次官などの上部組織(内閣)の人材を選んだり(組閣)、官僚組織(事務局)のトップ(事務次官)を選んだり。
ですが、そんなことは、どーでもいいことです。
何よりも重要なのは、
その行政府全体(首相を含む内閣と官僚)の上に誰がいるのか?
いったい行政府を
誰が支配するのか?
ということ。
これが大事です。
すなわち、行政府の支配者が、
国王なのか?
国民なのか?
あるいは国民から選ばれた一時的な国王(=大統領)なのか?
これがいちばんのポイントです。
管理人が考える「国家のしくみ」を絵にすると、こんなものです。
このように、
「支配者」→「行政府」
という構図が何より何より何より何より重要だと思います。
例えば、
今の日本国憲法では、日本の行政府の支配者は"国民(=議会)である"と定めています(国民主権)。
つまるところ、憲法とは、
この支配者(権力者・主権者)が誰なのか?を定めたもの、
といっても過言ではありません。
そうです。
あなたが日本人なら、あなたの方が、首相より上なんです(ただし、あなた個人ではなく、あなたがた全員の意思)。
ちなみに、近代史(=革命の歴史)とは、
国王と国民による行政府の奪い合いの歴史
であると言っても過言ではないと思います。
国家の体制を、このような視点から分類すると、以下のように3つに分類できます。
立憲君主制
国王が行政府を支配します。
立憲君主制(constitutional monarchy)といいます(昔のイギリス、昔の大日本帝國のスタイル)。超然内閣制とよばれることもあります。
国民(議会)ができることは限られていて、人事や予算などで国王をけん制するぐらいのものです。
首相は国王が選びます。また、国王は、気に入らない首相・内閣を否認できます(これを「内閣は国王に対して責任を負う」という言い方をします)。
独裁的なスタイルです。
首相は、内閣令(cabinet order)を発令して政治をおこないます。
内閣令(cabinet order)の発令に、議会の承認は不要です。しかし国王の顔色を見ます(国王に対して責任を負う)。
官僚は、内閣令(cabinet order)にしたがい実務をこなします。
結局、つまるところ、官僚は国王に従うことになります。
司法府(最高裁判所)は内閣令(cabinet order)を取り消すことができます。
しかし、最高裁判所の人事権を国王が握っている場合は、なかなかそれも難しいです。
国民(議会)は、首相が発令する内閣令(cabinet order)に対し、反対法案を提出することができます。
しかし、国民(議会)にできることは限られています。
国民(議会)は、行政上のルールをつくり、行政府が使う予算の承認や行政府の人事を承認する過程で、国王の行政を監視・牽制することぐらいしかできません。
議院内閣制
国民(議会)が行政府を支配するスタイルを、議院内閣制(parliamentary system)といいます(今のイギリス、日本のスタイル)。
国王は政治に関与しません。
国民(議会)が、首相を選びます。
選び方は議会の多数決なので、議会の中に、全国からできるだけ多くの党員を送り込んだ政党が、自分たちの政党から首相や大臣を選ぶことになり、主導権を握ります。
議会が首相を選び、また、気に入らない首相・内閣を否認できます(これを「内閣は議会に対して責任を負う」という言い方をします)。
首相は、内閣令(cabinet order)を発令して政治をおこないます。
内閣令(cabinet order)の発令に、議会の承認は不要です。しかし議会の顔色を見ます(議会に対して責任を負う)。
官僚は、内閣令(cabinet order)にしたがい政務を実行します。
つまるところ、官僚は、間接的に国民(議会)に従うことになります。
民主的なスタイルです。
司法府(最高裁判所)は内閣令(cabinet order)を取り消すことができます。
国民(議会)は、首相が発令する内閣令(cabinet order)に対し、反対法案を提出することができます。
国民(議会)は、行政上のルールをつくり、行政府が使う予算の承認や行政府の人事を承認します。
もともと国王が存在した国家が民主主義になると、このスタイルになることが多いです。
国王には行政権がなく、国家の象徴となります。
(日本には首相による"内閣令"がなく、そのかわり、官僚が"政令"を発令します。つまり、官僚は国民に従わず、官僚自身に従うことになります。 → この問題については別記事にします)
大統領制
立憲君主制と議院内閣制のいいとこどりみたいな制度です。
国民から選ばれた一時的な国王(大統領)が行政府を支配するスタイルです。
大統領制(presidential system)といいます(アメリカのスタイル)。
国民(議会)は、議会を通じて大統領を牽制する役割をもちます。
議会は行政上のルールをつくり、行政府が使う予算の承認や行政府の人事を承認する過程で、大統領の行政を監視・牽制します。
大統領が首相を選び、また、気に入らない首相・内閣を否認できます(これを「内閣は大統領に対して責任を負う」という言い方をします)。
行政権が大統領一人にゆだねられるという点では独裁的スタイルですが、大統領が国民から選挙されるという点では民主的ともいえます。大統領制の国家では、国王は廃止され、大統領が期限付きの国王となります。
首相は、内閣令(cabinet order)を発令して政治をおこないます。
内閣令(cabinet order)の発令に、議会の承認は不要です。しかし大統領の顔色を見ます(大統領に対して責任を負う)。
官僚組織は内閣令(cabinet order)にしたがい政務を実行します。
つまるところ、官僚は、国民から選ばれた一時的な国王(大統領)に従うことになります。
司法府(最高裁判所)は内閣令(cabinet order)を取り消すことができます。
国民(議会)は、首相が発令する内閣令(cabinet order)に対し、反対法案を提出することができます。
大統領とは、国民から選挙で選ばれた期限付き国王ですので、少し、立憲君主制に似ています。
もともと国王がいない国では、このスタイルが多くなります。
(アメリカでは大統領自身が首相を兼ね首相を選びません。内閣令にあたるexective orderを発令し、官僚組織を動かすのも大統領です。ドイツやフランスは大統領制ですが、議会が首相を選びます)
(大統領制といっても、大統領が政治的実権を独占して首相がいないアメリカ式、大統領が政治的実権を独占し、首相は事務長にすぎないロシア式、大統領が外交、首相が内政をつかさどるフランス式、大統領は国家の象徴にすぎず、首相が政治的権限を独占するドイツ式など、いろいろなスタイルがあります)
立法府(Legislature)
国会(議会)ともよばれます。
国民の代表です。
民主主義では、国民はまず政党を選び、選ばれた政党は所属議員を議会におくり込みます(間接民主主義。国民が直接議員を選ぶのは直接民主主義)。
多数派を獲得した政党の主張は、議会で通りやすくなります。
国会(議会)とは、もともとは、独占的な国王に対抗し、政治に少しでも民意を反映させるためにつくられた組織です。
議会の英語表記は、Parliament(イギリス)、Diet(日本・ドイツ)、Congress(アメリカ)、National Assembly(フランス)など国によって違います。
国王にとって代わり、議会(国民)が行政府を支配するようになったシステムを、議院内閣制といいます。
立憲君主制でも議院内閣制でも大統領制でも、議会は、立法権(法案提出権)を独占します。
実は、法案を提案することは誰にでも(個人でも)できますが、法案に名前をつけ、議会に提出できるのは議員のみです。
議会は、首相が発令する内閣令(cabinet order)に対し、反対法案を提出することができます。
行政府の予算や人事を監視・承認するのも議会の重要な仕事です。
議会は、行政府の人事を投票によって承認します。
議会は、行政府による政策案に投票し予算をつけます。
(どんな国家システムであっても、行政府は、「今年はこういうことを政治としてやりたいので、そのためにお金をください」と議会にお願いし、議会から承認されないかぎり、お金を使うことができません(財政民主主義))
原則、議会は内閣を否認できません(ただし、議院内閣制では議会が首相すなわち内閣を否認できます)。
原則、内閣は議会を解散できます(ただしアメリカの大統領は議会を解散できません)。
法案を議会に提出する法案提出権は、議員特権であり、内閣や大統領が法案を提案した場合でも、それを議会に提出するときには必ず議員を通さなければいけません。
(昔の大日本帝國など超然内閣制では、多くの場合、内閣による法案提出権が認められていました。今でもイギリスの内閣には法案提出権が認められています。現在、日本の内閣には法案提出権が認められていないはずですが、実際には、内閣の下部組織である官僚組織による法案提出が常態化しています)
(議会の下部組織には立法府専属の官僚組織があるべきですが、日本では、立法府専属の官僚組織を、行政府の官僚組織が兼務しています)
司法府(Judiciary)
裁判所に代表される、司法権を行使する機関です。
最高裁判所は、違憲審査(judicial review against constitution)をおこないます。
立法府(議会)に対し、法案の内容を違憲審査します(抽象的違憲審査)。
首相が発令する内閣令(cabinet order)に対する違憲審査を行うことができます。
内閣令(cabinet order)に対する違憲審査は、首相の暴走を監視するとても大切な権限です。
(日本でも、最高裁判所がいろいろな法案の内容を違憲審査できることになっているのですが、実際に法案の内容を違憲審査しているのは行政府に設置されている内閣法制局です。日本の最高裁判所が法案の抽象的違憲審査に完全にノータッチである理由は、アメリカに準ずるようです。ドイツでは、法案の内容に関する抽象的違憲審査は、憲法裁判所でおこなわれます)
行政府(内閣)に対し、政治の内容そのものを違憲審査します(附随的違憲審査)。
(日本でも、最高裁判所が行政内容そのものに対する違憲審査をできるしくみになっているのですが、実際には、行政不服審査法にもとづいて、行政府(審査庁)が違憲審査をしています。アメリカの最高裁判所は毎年100件近い法案を違憲審査していますが、日本の最高裁判所が関与した附随的違憲審査は過去8件のみで、基本的にノータッチです)
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