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生石灰と消石灰の違い

 

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石灰の話はややこしいですよね。

とても覚えにくいです。

そこでちょっと整理してみたいと思います。

いったい誰得?って話ですが・・・(苦笑)

 

まずーーー

サンゴ、貝殻、石灰岩の主成分である炭酸カルシウム(CaCO3)を約1000度の高温炉で焼くと(焼成すると)、二酸化炭素 CO2 が外れて、酸化カルシウム(CaO、生石灰)になります。

焼くだけです。

CaCO3(炭酸カルシウム)→ 加熱 → CaO(生石灰)+ CO2

このように炭酸カルシウム(CaCO3)を高温にして二酸化炭素 CO2 を飛ばすことを「焼成」といいます。

できあがった酸化カルシウム(CaO、生石灰)に水をかけると、発熱して動きます。

これがまるで生きているようにみえるので酸化カルシウム(CaO、生石灰)のことを生石灰といいます。

このときの反応を式に書くと

CaO(生石灰) + H2O → Ca(OH)2(消石灰)+ 熱

です。

酸化カルシウム(CaO、生石灰)は空気中の水分とも反応します。

この性質を利用して、酸化カルシウム(CaO、生石灰)は食品の乾燥剤としても使われます(石灰乾燥剤は、シリカゲルや脱酸素剤とはちがうものです)。

食品乾燥剤を水につけると発熱して危険というのはこの反応のことをいっています。

この反応によって生成された水酸化カルシウム(Ca(OH)2、消石灰)は、しかしもう水をかけても発熱しませんし動きません。

そういうことからでしょうか、この酸化カルシウム(CaO、生石灰)に水をかける反応

CaO(生石灰) + H2O → Ca(OH)2(消石灰)+ 熱

のことを消和反応といいます(消和反応とは:火を消す、不活化するという意味)。

生成された水酸化カルシウム(Ca(OH)2、消石灰)からは、たしかに生命のように動く活性が消えています。動きません。

水酸化カルシウム(Ca(OH)2、消石灰)の色は真っ白で、漆喰に使われます。

水酸化カルシウム(Ca(OH)2、消石灰)は空気中の二酸化炭素 CO2 と反応します。

Ca(OH)2 + CO2 → CaCO3 + H2O

漆喰はこの反応(固化と言います)で水分を放出し、炭酸カルシウム(CaCO3)となり硬度を増します。

また、生成された炭酸カルシウム(CaCO3)は水分を寄せつけません。

これが漆喰の利点です。

この漆喰の固化は乾燥した環境ですすみやすく、放出された水分は乾燥した空気の湿潤化に貢献します。

 

酸化カルシウム(CaO、生石灰)をアルミニウムホイルと一緒にして水をかけると、発熱後に生成された水酸化カルシウム(Ca(OH)2、消石灰)が熱によってさらにアルミと反応し、水素ガスが発生します。

2Al + CaO (生石灰)+ 3H2O → 2Al + Ca(OH)2(消石灰) + 2H2O + 熱 → Ca(AlO2)2 + 3H2

これが最も簡単で安上がりな水素風呂の原理です(やけどに注意)。

 

水酸化カルシウム(Ca(OH)2、消石灰)は、昔、校庭のライン引きに使われていました。しかし、水酸化カルシウム(Ca(OH)2、消石灰)はアルカリ性であるため粘膜障害を起こします。とくに目や口に入ると大変危険です。

今のライン引きの材料は、より安全な炭酸カルシウム(CaCO3)です。

炭酸カルシウム(CaCO3)は、貝殻、サンゴ、石灰岩の主成分であることは冒頭で述べたとおりです。

ちなみに炭酸カルシウム(CaCO3)はチョークの主成分でもあります。

 

水酸化カルシウム(Ca(OH)2、消石灰)は水に溶けにくい性質を持っていますが、これが少量溶けこんだ水溶液を石灰水といいます(無色透明)。

無色透明な石灰水に二酸化炭素 CO2 を吹き込むと、炭酸カルシウム(CaCO3、水に溶けない)が析出し(水が白濁し)、しばらくすると沈殿します。

Ca(OH)2 + CO2 + H2O → Ca(OH)2 (アルカリ性) + H2CO3 (酸性) → CaCO3 + 2H2O

この白濁現象を利用して、吹き込んだガスの正体が二酸化炭素 CO2 であることを証明する、なんていう問題が化学の試験によくでます。

さらに継続して二酸化炭素 CO2 を吹き込み続けると、析出していた炭酸カルシウム(CaCO3、水に溶けない)が炭酸水素カルシウム(Ca(HCO3)2)となり、再び水に溶けて無色透明となります(別名、重炭酸カルシウム)。

CaCO3+ CO2 + H2O → Ca(HCO3)2

これを加熱すると、二酸化炭素 CO2 が飛んで白い炭酸カルシウム(CaCO3、水に溶けない)が再び析出します(鍾乳洞のメカニズム)。

Ca(HCO3)2 → 加熱 → CaCO3(炭酸カルシウム) + CO2 + H2O

 

まとめると・・・

炭酸カルシウム(今の校庭のライン引き) → (加熱) → 生石灰(乾燥剤) → (水) → 消石灰(漆喰、昔の校庭のライン引き) → (二酸化炭素) → 炭酸カルシウム(沈殿) → (二酸化炭素) → 炭酸水素カルシウム → (加熱) → 炭酸カルシウム(鍾乳洞)

です。

 

最後に、そもそも「石灰」とは?

酸化カルシウム(CaO、生石灰)と水酸化カルシウム(Ca(OH)2、消石灰)の総称をいいます。

炭酸カルシウム(CaCO3)は石灰ではありません。

 

なんか、思ったほどうまくまとまりませんでしたね・・・ヽ(´▽`)/

 

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