集積回路(IC)の第一歩 プレーナー型トランジスタ
集積回路ICの中にはたくさんのトランジスタが詰まっているといわれます。
どんなつくりになっているのでしょうか?
皆目、見当がつかない人のために、ちょっとまんがで描いてみました。
まずは、ふつうの接合型トランジスタ回路を、まんがで図示すると、下記のようになります。
トランジスタだけ、とりだしてみましょう。
直行する3本の脚をもっていますね。
緑の半導体の間に薄い黄色の半導体が挟まっています。
この接合型トランジスタを、いろんな技術を使って3層の薄い膜様構造にしたものがプレーナー型トランジスタです。
緑の半導体が薄い黄色の半導体を挟み込んでいるという点では、トポロジー的に接合型と同じ構造になっていることがわかるでしょうか?
単に上下を押しつぶすのではなく、表面に層構造がでてくるように押しつぶすのがポイントです。
こうすることによって、トランジスタの配線を同じ面の上に平行に立てることができるようになります。
ここでは詳しくは述べませんが、この層構造は、写真のプリント技術を使うとうまく作り出すことができます。
膜の一部分をカバーし、ストロボで光をあてて感光させるテクニックなどを使いながら、表面に層構造をつくっていきます。
このプレーナー型トランジスタを使うと、上の図で示した回路図はこうなります。
上と下の図を、よ~く見比べてくださいね!
2つの回路が、まったく同じであることがわかりますか?
このように、
プレーナー型トランジスタを使うと、トランジスタを一番下におき、その上に配線を立てることができるのです。
写真の拡大・縮小技術などを駆使して、感光する型紙のパターンをどんどん縮小すれば、非常に小さなトランジスタも作成できます。
そのうち、同じ膜の中に、複数のトランジスタを造りこむことも可能になりました。
また、抵抗やコンデンサのパターンを埋め込むこともできるようになりました。
こうなると、
従来の回路を、一枚のシリコンの膜の上に構築できるかもしれない―――
いや、配線もろとも膜の中に埋め込むことができる・・・?!
これは、すごいことになる!
そう気づかれるまでに時間はかかりませんでした。
そうしてできあがった膜状の回路がどんどん進化し、今のコンピューターに使われるような薄い小さな集積回路になっていったのです。
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