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水素風呂は危険?爆発の可能性について

正常では空気中の水素濃度は、ほぼゼロ%(正確には約0.00005% = 0.5 ppm)といわれています。

この濃度が4%(40000 ppm)を超えると引火する可能性がでてくるらしい・・・

(1% = 1g/dl、1mg/L = 1ppmより、1%=10000ppm)

フムフム・・・

普段、0.5 ppmの水素が40000 ppmになれば、引火する可能性があると・・・

ただし、濃度が4%以上になってもそれだけで引火するわけではなく、温度が527度(発火点)にならなければ火がつきません。

ん?

ちょっと待てよ・・・

 

水素風呂を追い炊きすると、お湯の中に発生している水素ガスのバブルが湯沸かし器(バーナー)を通過します。

バーナーによる過熱は大丈夫なのでしょうか?

バブルの中はほぼ純粋な水素(100%)ですし・・・

 

安心していいようです。

 

たしかに水素ガスのバブル中の水素濃度は高濃度(ほぼ100%)と考えられますが、実は、水素は濃度75%を超えると逆に引火しなくなります。

また、お湯の温度は理論的に100度以上にはなりえず、水中にある水素気泡の温度が527度の発火点に到達することはないでしょう(紙コップに水を入れて火にかけると、中の水は沸騰するけど紙コップは燃えない原理と同じ)。

ですから、お湯の中の水素が問題になることはないと思います。

 

話を空気中の水素ガスに戻しましょう―――

そもそも、濃度4%(容量%)の水素ガスとはどのくらいの水素の量なのでしょう?

果たして、水素入浴中に、浴室中の水素濃度が濃度4%になることがあるのでしょうか?

濃度4%(容量%)というと、1Lの空気あたり40mlの水素ガスです。

水素の重さは、1Lあたり0.090 g らしいですから、

濃度4%の水素を重量に直すと、空気1Lあたりの水素ガスは3.6 mg。

・・・よくわかりませんね。

水の中に水素が溶存できる最大値は常温常圧で800 μM(分子状水素 1.6 ppm)といわれています。これは、重量にして1Lの水に水素が1.6 mg溶けている状態です。

すなわち、同じ4%でも空気と水でくらべてみると、

水素濃度4%(40000 ppm)の空気1L中に含まれる水素分子は3.6 mg。

水素濃度1.6 ppmの水1L中に含まれる水素分子は1.6 mg。

約2倍の違い・・・?

空気中の水素4%は、到達可能?不可能?

ますます、よくわからくなってきました(苦笑)。

そこで、数々の検証により判明している水素風呂の水素濃度に着目してみます。

水素風呂の水素濃度は、いろいろな報告がありますが、ざっとまとめると、およそ0.4 ppm(400 ppb)程度のようです。

これは、重量に直すと1Lのお湯に0.4 mgの水素分子が溶けている状態です。

飲む水素水だと1.6 ppmまで濃くできるのに、水素風呂の水素濃度は、0.4 ppm以上には濃くできない・・・

ここにヒントがありそうです。

水素風呂の濃度はどうして0.4 ppm程度までしかあがらないのでしょう?

水素の発生量がたりないから・・・?

そんな単純なものではありません。実は、これ、みなさんが学校で習ったヘンリーの法則が関係しています。

かんたんに言うと、水中の水素濃度は、空気中の水素濃度と常に平衡しており、空気か水の水素濃度のどちらか一方だけを濃くするとはできないという法則です。

思い出したくもない式ですが、 空気中と水中の水素濃度は常に次の関係にあるんですね。

C = 0.01625 x H

(空気中の水素濃度(容量%)をH、水中の水素濃度をC(ppm = mg/L)、常温で1気圧の水素の溶解度を0.01625 とする)

つまりーーー

水中の水素濃度のレベルは、常に、空気中の水素濃度(=水素分圧ともいえます)のレベルと平衡(比例)する。

簡単に言うと、水中の水素濃度は、空気中の水素濃度によって決まる、ということです。

逆に言うと、水中の水素濃度がわかれば、空気中の水素濃度がわかります。

この式から、

ある水の水素濃度が最高値(1.625 ppm)であれは、その水素水が接している空気の中の水素ガスの濃度は必ず最高値(100%)であることが導かれます。

(1.625 = 0.01625 x 100)

純度100%の水素ガスをいくら水中にブクブクとやっても、その水面に接している空気中の水素濃度が100%でなければ、水中の水素濃度を最高の1.6 ppmにあげることはできません。

空気中の水素濃度が100%になれば、ようやく水中の水素濃度を最高値(常温常圧の場合1.6 ppm)にすることができます。

逆に、空気を抜いてしまって、水素を100%添加した水素ガスの環境の中に水を入れると、その水の水素濃度は最高値(1.6 ppm)になります。

で・・・この化学的法則からなにがわかるか?

私たちは、どんなに水素を発生させても水素風呂の水素濃度は0.4 ppm程度で頭打ちになるということを知っています・・・

そうです。

それは、実験室(浴室)の空気中の水素の濃度(容量%)が頭打ちになっているということです。

浴室は密閉されていないため、水素が逃げていくんでしょう。

水素風呂の水素濃度が0.4 ppmの時の浴室の空気中の水素濃度を前述の式から計算してみると、

0.4/0.01625 = 24.6%

つまり、

水素風呂の水素濃度が0.4 ppmまでしかあがらないのは、浴室の空気中の水素濃度が25%程度までしかあがらないから、ということでしょう(間違っていたらご指摘ください)。

お湯の中で水素が発生しても、浴室中の水素はあっという間に外気に漏れていくため、浴室中の水素濃度はなかなか100%にはならないんですね(ならなくていいです。息ができません)。

これが水素風呂の水素濃度が0.4 ppm程度までしかあがらない原因でしょう。

逆に考えると、高濃度の水素風呂を作るにはどうすればいいか、わかりますね!?

浴室を密閉することです!

お湯の中の水素濃度は、水素発生装置の性能だけではなく、お湯の量と浴室の広さの関係、浴室の密閉度にも影響をうけるはずです。

窓を開けていると、湯中の水素濃度はなかなかあがらないーーー

でも、よく考えてください。

メーカーの実験で、お湯の中の水素濃度が0.4 ppmに達しているということは、浴室中の水素濃度が、そのときには25%程度にはなりうるということ。

水素ガスが引火する可能性がある最低濃度(4%)を超えています。

理論的には十分引火可能な濃度です。

しかし、これだけ売れている水素風呂ですが、引火したなどという事故は聞いたことがありません。

つまり、考察が間違っている可能性アリ・・・?(*ノv`)

管理人は化学の専門家ではないので思考過程に間違いがあるかもしれません。その点はあしからずご了承ください。

あるいは―――

もしかしたら、メーカーの出している実験データーは、かなり理想的な環境で測定されたもので、

一般的な浴室では空気中の濃度として実は4%( = 水素風呂の水素濃度として0.065 ppm)にも達していないという可能性も・・・

つまり、実際に利用する場合の水素風呂の濃度は、広告の0.4 ppmなんてものではなく、0.065 ppm未満なのかもしれません。

そう思いながら細かくデータを検証していくと、水素風呂の水素溶存濃度は実際には最高で0.1 ppm (100 ppb)程度であるという報告も・・・

広告の水素濃度はどうもあてになりません。

水素風呂の水素濃度がはっきりしないなんて、これが広告の限界なんでしょうかね~

いずれにしても、水素風呂で引火したなんて話がないということは、水素濃度が思ったほどではないのかもしれません。

 

でも、水素による生体への効果だけを考えてみたら―――

水素風呂の水素濃度って、どうでもいいことかもしれません。

考えてみると・・・

大事なのは、水素の発生量であり、水素の濃度ではないのです。

水素が実際に発生している限り、その水素は必ず水や空気、身体に平衡して拡散していくのですから。

ある意味、濃度が濃かろうが薄かろうが、からだを通り抜けようとする水素の絶対量が重要なんです。

 

引火の報告がないってことは、水素ガスというのは、先にも書いたように、濃度があがってもそれだけで発火するわけではなく、温度が527度(発火点)にならなければ発火しないということもあるでしょう。

が、念のためです!

浴室中は火気厳禁にしておきましょうね。

静電気でも引火の可能性があるので浴室の電灯がパチパチ点滅したりしている場合も注意しましょう。

*参考:水素風呂の気泡を集めて引火させる実験 

正直、この程度・・・?

という感じもしなくはないです。

発生した水素は最高レベルの濃度で収集できているはずなのですが。

が、まぁ、水素入浴中に閉め切った浴室でアロマキャンドルを炊いたりするのはやめておきましょう・・・(◎´∀`)ノ

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