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2018年11月 8日 (木)

【科学】ローレンツ因子の意味

アインシュタインの特殊相対性理論を、絵的に表現すると以下のようになります。

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/emc2-1.png

ETotal Energy(総エネルギー)

m0c2Rest Energy(静止エネルギー)

pcMomentum Energy

三平方の定理から、

E2 = (m0c2)2 + (pc)2

が、成り立ちます。これが特殊相対性理論です。

(極論かもしれませんが、特殊相対性理論とは「直角三角形の高さは絶対に斜辺の長さをこえられないよ!」みたいなことを言っているにすぎません)

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/new2_20190715120601.png

静止エネルギーを底辺とすると、総エネルギーは斜辺に相当します。底辺に対する斜辺の長さが、ローレンツ因子(γ)です。

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/einstein-triangle.png

sin2θ + cos2θ = 1 

(v/c)2 + (1/γ)2 = 1

(m0c2)2 + (pc)2 = E2

ローレンツ因子(γ)とは、総エネルギー(斜辺)と静止エネルギー(底辺)の比にほかなりません。

斜辺と底辺の差(γ -1)が、運動で増える相対論的運動エネルギー(Relativistic Kinetic Energy)に相当します。

 


 

【例題】

100 MeV の相対論的運動エネルギーを持ったμ粒子(ミューオン)の速度(v)およびローレンツ因子(γ)を求めよ。ただしμ粒子(ミューオン)の静止質量を105 MeV/c2、光速を3 x 108 m/sとする。

 

【解答】

まず、

静止質量(m0)= 105 MeV/c2

であることから、

静止エネルギー = m0c2 = 105 MeV

です。

次に、相対論的運動エネルギーが、直角三角形のどこにあたるのかを確認すると・・・

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/new1_20190709231201.png

総エネルギー = 静止エネルギー + 相対論的運動エネルギー

です。これに、

静止エネルギー =  105 MeV

相対論的運動エネルギー = 100 MeV

を代入すると、

総エネルギー = 105 MeV + 100 Mev = 205 MeV

になります。

また、三平方の定理(特殊相対性理論)から、

2052 = 1052 + (Momentum Energy)2

が成り立ちますから、

Momentum Energy = √(2052 - 1052) = 176 MeV

です。

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/photo_20190719152401.png

μ粒子(ミューオン)の速度(v)と光速(c)の比は、直角三角形の高さと斜辺の比なので、

v/c = 176/(105 + 100)

= 176/205 x (3 x 108)

= 2.577 x 108

すなわち、

μ粒子(ミューオン)の速度(v) = 2.577 x 108 m/s

です。

 

また、γ(ローレンツ因子)は、底辺に対する斜辺の長さなので、

 γ = 205/105

ゆえに、

ローレンツ因子(γ) = 1.952

です。

 

最後にもう一度、復習しましょう!

γ(ローレンツ因子)とは、アインシュタインの直角三角形における底辺に対する斜辺の長さです。

ローレンツ因子の計算にローレンツ変換は不要です。

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/einstein-triangle.png

sin2θ + cos2θ = 1 

(v/c)2 + (1/γ)2 = 1

(m0c2)2 + (pc)2 = E2

ローレンツ因子をリンドラー曲線(双曲線)で理解したい方はこちらへ。

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/lorentz-factor2.png

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/lorentz-factor5.png

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/lorentz-factor3.png

 

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2018年11月 7日 (水)

アインシュタインの「等価原理」 重力は空間の歪みがひきおこしている慣性力である

重力・・・

日本語では「力(ちから)」という文字が含まれているので、あたりまえのように「力(ちから)」だと思っている人が多いと思います。

なかには(というかほとんどの人が?)、まるでニュートンがその力(ちから)を発見したかのように思っている人もいるのではないでしょうか?

しかし、ニュートンは、単に「落ちる」という現象を"重力"という力(ちから)を想定してうまく説明することに成功しただけで、

重力という力(ちから)がほんとうに「ある」のかどうか・・・

とか、

「誰も何も触ってもいないのに、なぜリンゴが地球に向かって動くのか」

という重力の正体については全く理解されていなかったのです。

ややこしい話ですが、

ふつう・・・

「力(ちから)」といえば、モノを押したり引いたりするときの「力(ちから)」のことをいいますよね?

力(ちから)には、必ず、反作用があります。

しかし、重力には反作用がないのです。

それも奇妙でした。

重力が、押したり引いたりすることによって生じる、いわゆる本物の「力(ちから)」であれば必ず反作用を伴うはずなんです。

「いったいGravity(重力)とは何なんだ?!」

この誰にも答えることができなかった疑問・・・

その謎を解き明かしたのが―――

アインシュタインなんです。

誤解を恐れずに彼の考えを端的に言いあらわすと、

「重力なんて・・・そんな力(ちから)は、ないっ!」

というものです。

もう少し正確に言うと、

「みんなが重力だと思っているのは、実は"みかけの力"にすぎないんだよ!」

・・・という、たぶん当時としてはかなりヤバい発想でした。

「みかけの力」は「慣性力」ともいいます。

電車が急に動き出すと、からだが進行方向とは反対側に押されたように動きますよね?

誰も押していないのに・・・

まるで誰かがある力(ちから)で押したように、からだが動きます。

このように、まわり(場)が加速して動くことによって、自分が"感じる"力(ちから)・・・

その力(ちから)が「慣性力」です。

「慣性力」って、力(ちから)・・・という字がはいっていますが、実は、何の力(ちから)も作用していないことがわかるでしょうか。

実際のところ、電車が急に動いたために、からだが取り残されているだけです。

アインシュタインは、

重力によって落下している物体には、力(ちから)なんて作用していない!

と主張したのです。

たしかに、自由落下している人に聞けば、力(ちから)のない無重力状態に浮かんでいるのと同じ感覚でしょう。

重力が「慣性力」であれば、「慣性力」には反作用がありませんから、重力に反作用がない点もうまく説明できます。

重力 = 「慣性力」ということで、辻褄が合うのです。

ところが!

重力を「慣性力」と考えるには大きな問題がありました。

「慣性力」には何か・・・「慣性力」を引き起こす"事象"が必要なのです。

アインシュタインは、いったい何が「慣性力」を引き起こしていると考えたのでしょう・・・?

実は、ここがアインシュタインの真骨頂というべき発想なのですが、

アインシュタインは、「慣性力」を引き起こしているのは「空間の歪み」であると指摘したのです。

(・_・)エッ....?・・・

いまならトンデモといわれそうなアインシュタインでなければ不可能な発想です。

つまり、こういうことです。

私たちには、目の前に広がっているはずの「空間の歪み」は見えません。

しかし、その結果としてのモノの運動などが落下運動としてみえていて・・・

私たちは、その動きを重力によるものだと錯覚している・・・というのですΣ(゚□゚(゚□゚*)

たとえば、地球がつくる空間の歪みとリンゴがつくる空間の歪みが一体化しようとする性質によって互いに接近する結果、リンゴは地球に引っ張られているようにみえるだけだ・・・と。

実態は、地球とリンゴが、空間の歪みにしたがって互いに接近しているだけだ・・・と。

そこには、力(ちから)なんてない・・・と。

ニュートン力学では、このリンゴと地球が接近しているのは、重力という架空の「力(ちから)」によるものだ

と解釈しているだけで、

実のところ、リンゴと地球の間には何の「力(ちから)」も"ない"というのです・・・(リンゴが動いているのに!)。

何という挑発的な発想でしょう・・・

アインシュタインは、自分が思いついたこの発想がたいそう気に入ったらしく、"The happiest thought of my life!"と語っていたというエピソードは有名です。

「重力は、歪んだ空間の内在的な作用が引き起こした"みかけの力"にすぎない」という、この発想は今ではアインシュタインの等価原理とよばれていますが、この発想はその後、一般相対性理論を根底から支える概念的バックボーンになりました。

アインシュタインの目には、自由落下するリンゴの周囲に、歪んだ「空間」がありありとみえていたに違いありません。

何か、カント哲学の雰囲気すら漂いますよね。


 

何の力(ちから)も受けず、ただ無重力空間に静止している物体や等速運動中の物体を、物理学用語で慣性系にあるといいます。力(ちから)がまったく作用していない状態と考えてください。

ニュートン力学の時代には、自由落下している物体に重力という力(ちから)が働いていると考えられていました。したがって自由落下している物体は非慣性系にあるといえます。

アインシュタインによると、自由落下している物体には、何の力(ちから)も働いていません。したがって自由落下している物体は慣性系にあるといえます。

慣性系にある物体の運動を非慣性系からみると、架空の力(ちから)が働いているようにみえます。この架空の力(ちから)を実在する力(F)のように扱えば、非慣性系からみた物体の運動も慣性系の物体の運動も、同じ物理法則で記述することができます。

(アインシュタインによると、地上に静止している人は、自由落下を阻止する力(ちから)を受けているため非慣性系にあります。この地上に静止している人からみた自由落下の運動は、非慣性系からみた、慣性系にある物体の運動です。つまり、地上に静止している人からみた自由落下運動は、自由落下をおこしている架空の力(= 重力)を想定し、それを力(F)と同様に扱うことによって、慣性系で成り立つ物理法則(ニュートン方程式)を使ってあらわすことができます)

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2018年11月 6日 (火)

慣性質量 inertial mass と重力質量 gravitational mass 「等価原理」

慣性質量 inertial mass と、重力質量 gravitational mass の違い

慣性質量は、物体の動きにくさ

重力質量は、物体が地面に押し付けられる強さ

と定義されています。

 

もともと

物の動きにくさ=質量

物が地球に押し付けられる強さ=重さ

と別々に定義されましたが、

その後

質量=慣性質量 inertial mass

重さ=重力質量 gravitational mass

と再定義されました。

 

この慣性質量と重力質量、もともと全然別々のものとして測定されたものであるもかかわらず、その後の観測によると、きわめて高い精度で(=ピタリと)一致することがわかっています。

アインシュタインの等価原理といいます。

何故、一致するのでしょう?

 

ここに、1トンの戦車があるとします。

地球上でその戦車の重さを測定すると1トンです。

これが、戦車が地球の地面に押し付けられている力です。

戦車は、地球の引力 = 重力加速度(g)で地球の中心に向かって引っ張られています。

その動きを地面にさえぎられた結果、常に地面に押し付けられた状態になっているのです。

その力をはかると1トン。

これが重力質量 gravitational mass = モノが地面に押し付けられている力

です。

 

では

慣性質量とは何でしょう?

ここに、さっきと同じ戦車があるとします。

しかし、今回は地球上ではありません。

同じ戦車が無重力の宇宙空間に浮かんでいるとします。

あなたが、この戦車を手で押したらどうなるでしょうか?

無重力だから、戦車の重さはゼロ・・・だから、めちゃくちゃ簡単に動くはず?

指でちょんとつついただけで動きそう?

そうでしょうか?

いいえ。

たとえ無重力空間デアあっても、戦車を手で押すと動くのはあなたのほうです。

戦車は、まるで、その宇宙空間に張り付いたかのように、動きません

この、戦車が「空間に張り付いている」というイメージが、アインシュタインが考えた等価原理の説明を理解する上できわめて重要です。

戦車を動かすためには、空間から引き剥がさなければなりません。

慣性質量が大きい物体ほど、その物体は周囲の空間に強くへばりついている・・・

かのように振舞います。

空間には目に見えない凹み(くぼみ)があり、そこに物体が嵌(はま)りこんでいる感じです。

ちなみに、物体が、空間の凹みにはまっている状態を「静止」といいます(正しくは慣性系にあるといいます)。

戦車のように慣性質量が大きい物体は、深い慣性系(凹み)に嵌まり込んでいます。

はまっている凹みが深い=物が動かしづらい

はまっている凹みが浅い=物が簡単に動きやすい

と、いったらわかりやすいでしょうか?

戦車が嵌っている凹みと、あなたが嵌っている凹みではあなたの凹みのほうがはるかに浅いため、あなたが戦車を押すと、あなたのほうが動いてしまうのです。

でも、

宇宙空間にいると、相対的にどっちが動いたのかわからないのでは?

と、反論する人がいます。

するどいですね。

でも、あることのせいで、目を瞑っていてもどっちが動いたのかがわかるんです(あとで説明します)。

ここでは、まず浅い凹みにはまっている方が動くのだ

と理解してください。

 

では、この深い凹みにはまっている戦車を動かすには、どうしたらいいでしょう?

戦車より深く空間にはまる(重い)ものを持ってくればいい―――

戦車より深い凹みにはまっている何か重機のようなものを空間に浮かべ、その重機で戦車を押せば、戦車のほうが動きます(重機があまり大きすぎると万有引力の法則で互いに引き合ってしまいますが・・・)

そうすると、戦車を空間から剥がすことができ、戦車が動きだします。

 

では、そのような重機で戦車を1秒間だけ押したとしましょう。

戦車は動き出します。

その後、力を加えなければ、その後は一定速度で動き続けます。

そのとき、もし、

戦車の移動速度が秒速1メートルだったら、

その戦車の慣性質量は1トンである

と定義するのです。

慣性質量1トンのものを秒速1メートルの速度で動かすには1トンの力で1秒間押す必要があります。

この毎秒1メートルで動いている戦車を、さらに1トンの力で押し続けると、戦車が動くスピードもだんだん速くなります。

このときのスピードの変化率(加速度)を測ることによっても慣性質量がわかります。

慣性質量が1トンであれば、そのときの加速度 = 9.8m/s2(地球の重力加速度)であるはずだからです。

無重力空間にある物体を、地球による重力加速度(g)と同じ加速度で動かし続けるのに必要な力 = 慣性質量 inertial mass です

 

加速される戦車の動きを見ていると、まるで、地球上の自由落下のようにみえるでしょう。

1トンの力で押し続けた場合に地球上の自由落下のようにみえれば、その戦車の慣性質量 inertial mass は1トンであるともいえるのです

話を戻しますが、慣性質量とは、結局、ある物体を空間から引き剥がすのに必要な力といえます。

ある物体が、空間にへばりついている力と、引き剥がすのに必要な力は「同じ」なのだと、考えるとわかりやすいでしょう。

 

でも、どうして、慣性質量は重力質量と一致するのでしょうか?

 

今度は、巨大な象を考えましょう。

この象が無重力空間に浮かんでいるとします。

この象の近くに、突然、地球を近づけると何が起こるでしょう?

誰も触ってもいないのに、象は地球に向けて落ちていきます。

象が引っ張られているのでしょうか?

 

いいえ!!

 

不思議なことに、象は地球から引っ張られているとは感じません。

目隠しされていれば、地球に接近していることに気づかないのです。

地球に向かって移動している間、象はずっと無重力空間にいると感じているはずです。

象の移動スピードは、重力加速度(g)で、どんどん速くなっているのに!

です。

 

ところで―――

重機も何も使わないのに、なぜ、象は動き出したのでしょうか?

象は、無重力空間で深い凹みにはまっていたはずです。

地球の引力が、象に何をしたのでしょうか?

象を空間から引き剥がしたのでしょうか?

 

いえ・・・

地球は、象を、そのまわりの空間ごと引っ張っているのです。

地球によって、象は空間にハマったまま移動します。

象は空間から引き剥がされないのです。

地球の重力は、象のまわりの空間の凹みのほうに作用し、空間を移動させているのです。

 

これが重力の正体です。

重力(引力)は、象を引っ張るのではなく、象がはまっている空間のほうを引っ張ります。

象は、空間の凹みにすっぽりと嵌ったまま移動します。

毎秒9.8m/sで加速しながら!

 

先ほどの1トンで押され続けている戦車―――

この戦車の中に乗っている人は、加速度を感じることができます。戦車の中で常に座席の背もたれか、壁に押し付けられてように感じるでしょう。

押されているのは戦車であって、まわりの空間は動いていません。

したがって、空間から剥がされた感覚が加速度として感じられるのです。

加速度を感じるせいで、自分が動いていることがわかっちゃうのです。

 

しかし、空間と一緒に動いている象は違います。

まわりの空間といっしょに移動すれば、その空間に嵌っている限り、全く加速度を感じません。

(ここらへんが、アインシュタインが「the happiest thought of my life. (人生最高のアイデア)」とよんでいるポイントで、一般相対性理論にもつながりました!!!)

引力によって移動している象は、すっぽりと周囲の空間の凹みに嵌ったまま移動します。

象は、目隠しされていれば、移動していることすら気づかないでしょう。

象自身は、地球に引っ張られているとは気づきもせず、地球の方向に移動していくのです。

(この空間の凹みとセットになった象の状態を慣性系といいます。つまり、象は物理学的には静止しているのです。)

まさに、自由落下の状態とおなじです。

 

では―――

象が地球の方向に動きだそうとするときに、何か動かない壁のようなもので象の動きを遮る(象と地球の距離を一定に保つ)とどうなるでしょう?

象がはまっている空間の凹みは、万有引力によって、地球の方向に移動しようとします。

このとき、象の移動を遮ると・・・

空間の凹みは地球の方向に移動しようとしているのに、

象はまわりの空間から引き剥がされてその場に残ることになります。

このとき、象が空間から引き剥がされる力は、先ほど考察した慣性質量 inertial mass です

 

力は、象の移動を遮る壁のほうにもかかります。

このとき壁にかかっている力が重力質量 gravitational mass です。

作用反作用の法則です。

結局、空間の凹みが地球の方に移動しようとしているのに、象が動かないように壁で支えると、そのとき壁にかかる力(重力質量)は、象が空間からはがされそうになっている力(慣性質量)に等しくなります。

 

以上、慣性質量 と 重力質量について、どうして等しくなるのか~アインシュタインの等価原理~について、ちょっと解説してみました。

なんだかおもしろいな、と感じていただければ幸いです。

 

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2018年11月 5日 (月)

相対性理論はウソ?ほんとう?

速度vで移動している慣性系(たとえばロケット)を外から観察すると、その慣性系(ロケット)の

    1. 時間の進み方は、(1 – v2/c2)1/2倍に遅くなっている
    2. 長さは、進行方向に(1 – v2/c2)1/2倍に短縮している(ローレンツ収縮)
    3. 質量は、(1 – v2/c2)1/2倍に重くなっている

ということが予測されています。

アインシュタインの特殊相対性理論です。

その慣性系(ロケット)の内部にいると何もかもふつうなんですが、外からみるとそうみえるわけです。

ほんとうか???

世の中には、相対性理論が正しいかどうかを議論している人達がたくさんいます。

が・・・はっきり言って

ナンセンスだと思います。

だって、「時間」と「空間」の定義って何ですか?

そもそも「時間」とは?

光の速さが毎秒1mだったら?

説明できる人います?

定義があいまいである以上、相対性理論が正しいかどうかをつきつめていくと、結局、定義の問題、下手したら哲学的な議論になってしまいます。

時間や空間を考える相対性理論は、正しいかどうかより、実用的であるかどうかのほうが大事ではないでしょうか。

宇宙空間や超高速環境でおこるさまざまな現象が、この相対性理論で説明できます。

もしかしたら、違う考え方で説明できるのかもしれません。

しかし。

実用できるのであれば、どれが正しいかどうかなんて、とりあえずどうでもいいと思います← これぞPragmatismの真骨頂!

 

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2018年11月 4日 (日)

光を止めると・・・?

問い:ある速度でとんでいるボールが、その速度の2分の1で逃げていく壁にぶつかるとどうなるか?

答え:ボールは逃げる壁に反射した後、その場にとどまる(重力があれば衝突地点の真下に落ちる)

 

では

問い:光速の2分の1の速度で逃げていく鏡に光を反射させたら光はどうなるか?

答え:反射した光が消えてしまう

 

解説:

光は止めることができないというが、では、光速の2分の1速度で逃げていく鏡に反射させたらどうなるのか?

という有名な思考実験である。

こうすると、さすがに止まる以外にないのではないか?

と、思う。

しかし、残念なことに、というかなんというか、アインシュタインによる光速度不変の原理により、光の速度は逃げる鏡に反射した後も、光速のまま不変である

逃げる鏡に反射した光が光速であるとは、ちょっと不思議だ。

ただし、光が逃げる鏡に反射すると、反射光の波長はドップラー効果により伸びてしまう

すなわち、

逃げる鏡に反射した光は、光速を維持しつつも波長が伸びた光になる(赤方偏移をおこす)

逃げる鏡のスピードが速くなるにつれて、反射した光の波長はどんどん長くなる

光は、波長がのびるにつれ、周波数が減り、エネルギーが減っていく

鏡のスピードが、ちょうど光速の2分の1になった時、反射した光の波長は無限大になる

つまり、そのとき、光の周波数はゼロになる

周波数がゼロの光子の運動量はゼロである(p=hf)

運動量がゼロである光のエネルギーはゼロである(光のDual Property

つまり、光が、ちょうど光速の2分の1の速度で逃げる鏡に反射すると、光のエネルギーがゼロになってしまう

 

さて

エネルギーゼロ(周波数ゼロ)の光子・・・

とは?

周波数ゼロの光とは・・・

光子としては存在しても、波としては振動しないため、まるで消えたように検知不能になるのである

これをホントウに消えた

といっていいのか?

いや、実は消えたのではなく、

「波長=無限大」の光がある・・・

というべきなのか?

 

そう考えると、この宇宙・・・

実は、光もエネルギーもない空間にも

「エネルギー=ゼロ」の光、振動しない周波数ゼロの光が「ある」

のかもしれない・・・

 

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2018年11月 3日 (土)

光は波か、粒子か 光のDual Property

光は粒子でもあり、波でもある

光は、粒子であるが、波のように伝わっていくということなのか・・・?

 

光が粒子である証拠(光電効果Photoelectric effect)

光を金属にあてると電子がはじきだされる。これを光電効果という。

光電効果として観測されている事実は2つ。

観測結果1:光の強さ(intensity、明るさ)を増強すると、はじき飛ばされる電子の数は増えるが、はじき飛ばされた個々の電子の運動エネルギーは一定である。

観測結果2:光の周波数(frequency、色)をあげると、はじき飛ばされた個々の電子の運動エネルギーは増えるが、はじき飛ばされる電子の数はふえない。

 

仮説1.もし、光が波であれば、光の強さ(intensity = 明るさbrightness)は振幅の2乗に比例し、光のエネルギーに比例する。つまり、光の強さが強くなれば、光のエネルギーは増大し、はじき出される電子の数が増えるだけでなく、はじき出された電子の運動エネルギーも大きくなるはずである。 →観測結果1に矛盾する。 →光は波ではない。

仮説2:もし、光が波であれば、光の周波数(色color)はエネルギーに無関係なはずである(※)。つまり、光の周波数をどんなに増やしても、はじき飛ばされる電子の数は増えず、かつ、はじき出された電子の運動エネルギーも増えないはずである。 →観測結果2に矛盾する。→光は波ではない。

※質量がある物体においては、計算上、エネルギーは周波数の2乗と質量の積に比例するが、ばね係数が一定であるとすると、質量と周波数の2乗は反比例するので、結局、周波数を増やしても質量が減ってしまい、波のエネルギーはかわらない。したがって、周波数を変化させても波のエネルギーを変えることはできない。

仮説3:もし、光が粒子であれば、光の強さは光子の数だけに比例し、個々の光子のエネルギーとは無関係なはずである。つまり、光の強さを強くすると(=光子の数を増やせば)、はじき出される電子の数は増えても、個々の光子の運動量(エネルギー)は変わらず、はじき出される個々の電子の運動エネルギーも変化しないはずである。 →観測結果1に一致する。→光は粒子である。

仮説4:もし、光が粒子であれば、個々の光子のエネルギーは、その振動数に比例するはずである(振動する粒子)。つまり、振動数が大きな光子が衝突すれば、はじき出される電子の運動エネルギーは増大するはずである。一方で、振動数が大きくなっても、光子の数(=光の強さ)が一定である限り、はじき出される電子の数に変化は生じないはずである。 →観測結果2に一致する。→光は粒子である。

 

結論:光は粒子である。

これが、アインシュタインによる光電効果の説明であり、それまで波だと考えられていた光にDual propertyが存在するという理論的根拠になっている。

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光の質量

光子の質量はゼロです

光速で運動する物質の質量は、ゼロでなければ、無限大です

質量が無限大ということはありえませんから、光の質量はゼロ以外にありえません

ときに

光の質量はゼロなのに、なぜ重力によって曲がるのか?

という質問をみかけます

が、

光が曲がるのではなく、空間が曲がっている

と考えるべきです

光は曲がった空間を直進しているのです

だから曲がって「みえる」だけです

光が空間を曲げることはありません

光には質量がないからです

(といいつつ)→ やっぱり光にも質量がある?

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2018年11月 2日 (金)

Einstein's Right Triangle アインシュタインの直角三角形

アインシュタインの相対性理論をわかりやすく説明してくださいといわれたら、まぁ、典型的には以下のようなことを説明することになるでしょう。

    • 光速度不変の原理
    • 動いている物の中では、時間が遅く進む
    • 動いている物は、進行方向に長さが縮む(ローレンツ収縮)
    • 動いている物の重さは重くなる

有名な「E = mc2の式」を導く方法を教えてくださいといわれたら、典型的には、「走行中の列車問題」を使います。

走行中の列車の天井から床に向けて光を発射し、光が床に届くまでの時間や、列車の後方から前方へ発射された光の到達時間を、列車の外からと内部と、別々に計算すると最終的に、あの有名な「E = mc2の式」がでてきます。

しかし

アインシュタインの相対性理論の式は、実はE = mc2ではなく、正しくは

E2 = (m0c2)2 + (pc)2

です。(m0:静止質量、p:運動量、c:光の速さ)

言い換えると、

(総エネルギー)2 = (静止エネルギー)2 + (モメンタム運動エネルギー)2

です。

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/new1_20190709231201.png

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/new2_20190715120601.png

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/einstein-triangle.png

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