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2018年11月 3日 (土)

光は波か、粒子か 光のDual Property

光は粒子でもあり、波でもある

光は、粒子であるが、波のように伝わっていくということなのか・・・?

 

光が粒子である証拠(光電効果Photoelectric effect)

光を金属にあてると電子がはじきだされる。これを光電効果という。

光電効果として観測されている事実は2つ。

観測結果1:光の強さ(intensity、明るさ)を増強すると、はじき飛ばされる電子の数は増えるが、はじき飛ばされた個々の電子の運動エネルギーは一定である。

観測結果2:光の周波数(frequency、色)をあげると、はじき飛ばされた個々の電子の運動エネルギーは増えるが、はじき飛ばされる電子の数はふえない。

 

仮説1.もし、光が波であれば、光の強さ(intensity = 明るさbrightness)は振幅の2乗に比例し、光のエネルギーに比例する。つまり、光の強さが強くなれば、光のエネルギーは増大し、はじき出される電子の数が増えるだけでなく、はじき出された電子の運動エネルギーも大きくなるはずである。 →観測結果1に矛盾する。 →光は波ではない。

仮説2:もし、光が波であれば、光の周波数(色color)はエネルギーに無関係なはずである(※)。つまり、光の周波数をどんなに増やしても、はじき飛ばされる電子の数は増えず、かつ、はじき出された電子の運動エネルギーも増えないはずである。 →観測結果2に矛盾する。→光は波ではない。

※質量がある物体においては、計算上、エネルギーは周波数の2乗と質量の積に比例するが、ばね係数が一定であるとすると、質量と周波数の2乗は反比例するので、結局、周波数を増やしても質量が減ってしまい、波のエネルギーはかわらない。したがって、周波数を変化させても波のエネルギーを変えることはできない。

仮説3:もし、光が粒子であれば、光の強さは光子の数だけに比例し、個々の光子のエネルギーとは無関係なはずである。つまり、光の強さを強くすると(=光子の数を増やせば)、はじき出される電子の数は増えても、個々の光子の運動量(エネルギー)は変わらず、はじき出される個々の電子の運動エネルギーも変化しないはずである。 →観測結果1に一致する。→光は粒子である。

仮説4:もし、光が粒子であれば、個々の光子のエネルギーは、その振動数に比例するはずである(振動する粒子)。つまり、振動数が大きな光子が衝突すれば、はじき出される電子の運動エネルギーは増大するはずである。一方で、振動数が大きくなっても、光子の数(=光の強さ)が一定である限り、はじき出される電子の数に変化は生じないはずである。 →観測結果2に一致する。→光は粒子である。

 

結論:光は粒子である。

これが、アインシュタインによる光電効果の説明であり、それまで波だと考えられていた光にDual propertyが存在するという理論的根拠になっている。

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