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【超解】アインシュタインの特殊相対性理論 これでわからなかったらあきらめよう! その3

 

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前の記事で述べた、(ある定数)= 静止質量m0 であることの証明

(ある定数)を頂点に持つ双曲線は、

(ある定数)を頂点に持つ放物線と、

局所的には区別はつきませんから、局所的には同じはずです。

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/pic36.png

そこで、放物線

x = 1/2αt2

をエネルギーeと運動量pの関係式に変形しましょう。

具体的には両辺に力Fをかけます。

F・x = F・(1/2)αt2

この式と、F = m0・αより、αを消去すると、

F・x = 1/2・(1/m0)・(F・t)2

となります。

F・x = e、F・t = p ですから、

この式は、

e = 1/2・(1/m0)・p2

と書き直せます。

 

この放物線の式が、(ある定数)だけずれた式は、

e = 1/2・(1/m0)・p2 + (ある定数)

です。

この放物線の頂点が双曲線と一致しているはず・・・

と考えます。

すなわち、

(e)2 - (p)2 = (ある定数)2

の双曲線と

e = 1/2・(1/m0)・p2 + (ある定数)

の放物線が頂点を共有しているということになります。

いいかえると、

この二つの方程式を連立させた式は、頂点において重解をもちます。

重解を持つ条件を求めて式を解いていくと(計算めっちゃ省略^^:)、

(ある定数)= 静止質量m0

と算出されます(重解の判別式 = 0を利用します)。

静止質量m0 が、エネルギー軸の切片としてあらわれることに注目してください。 

 

・‥…━━━☆

さらに補足

sの正体

(ある定数)= 静止質量m0

であるとすると、

(e)2 - (p)2 = (m02

ということです。

これと、もともとの双曲線の式

x2 - t2 = s2

を比較してsの正体を暴いてみましょう。

 

x2 - t2 = s2

の両辺にF2をかけると

(Fx)2 - (Ft)2 = (Fs)2

ですから

(e)2 - (p)2 = (Fs 2

ということになります。

これと、前述の式、

(e)2 - (p)2 = (m02

を比べれば、

Fs = m0

であることがわかります。F = m0αですから、

s = 1/α

です。

これが定数sの正体です。下のグラフのx切片(頂点)を表しています。

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/pic34.png

1/αというのは加速度の逆数で、「動きにくさ」の指標です。

つまり、双曲線の頂点と原点の距離sは、「その物体の加速されにくさ」( = 慣性質量)をあらわしていることがわかります。

(みなさんが、「ビルの屋上から落ちていく鉄球」の時間経過をグラフに書くと、まず原点を頂点とする曲線を書くことになると思いますが、出来上がった双曲線をみると、実はその「双曲線の中心」(物体の最初の位置)は、ビルの屋上からずれたところにあり、唖然とするでしょう。質量のある物体はspace time diagram上、動いてなくてもすでに少し進んだところにあるのです・・・)

一方・・・

静止している座標系における点(x, t)が、等速運動している観察者からみて(x', t')にみえるとき、

x2 - t2 = (x')2 - (t')2 = s2

が、常に成り立ちます。

たとえば、下図のx-t座標系において、

x2 - t2 は、 (x')2 - (t')2 と等しくなる、というのがローレンツ変換です。 

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https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/pic85.png

この絵的な意味は、

ある事象Aが、ローレンツ変換されると、必ず同じ双曲線の上で移動する

ということに他なりません。

 

ここから、このことと非常に紛らわしい、しかし非常に重要な話をします。

上記のこととは別に、

リンドラー座標上の任意のある2点、点1(x1, t1)と点2(x2, t2)を、

静止系から観察したときと()、

等速運動系から観察したときで()、

次の関係式が成り立つことがわかっています。

|⊿(x1 - x2)2 - ⊿(t1 - t2)2 | = |⊿(x1 - x2)2 - ⊿(t1 - t2)2 | = ⊿(s1- s2)2

 

|⊿(x1 - x2)2 - ⊿(t1 - t2)2 |  とは一体なんでしょう?(下に説明図あります)

2乗の差とは・・・?

2乗の和{|⊿(x1 - x2)2 + ⊿(t1 - t2)2 |}なら、ピタゴラスの定理から2点の距離であることが理解できますが、

2乗の差とは何なんでしょう?

 

実はこれ、専門家によると、

時間という虚次元が絡んだ空間(通常の3次元ユークリッド空間に対して、4次元ミンコフスキー空間といいます)における、点1(x1, t1)と点2(x2, t2)の距離をあらわします。

虚次元がからんだ空間における距離ですから、下のリンドラー座標に示された2点間の"みため"の距離ではありません。

念のため。

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/pic96.png

同様に、|⊿(x1 - x2)2 - ⊿(t1 - t2)2 |とは、

ミンコフスキー空間における等速運動系の、点1(x1, t1)と点2(x2, t2)の距離だそうです。

繰り返しますが、"みため"の距離ではありません。

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/pic94.png

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/pic92.png

なんだかごまかされた感じがするかもしれませんが、

どちらの系からみても、

⊿(s1- s2)2 = 観察者によらず同じ値

という点が重要です。

つまり、

|⊿(s1- s2)| = 観察者によらず同じ値

ということ・・・

これは、あたりまえのことで、ある物体の2点間の物理的な距離は、2点が移動しない限り変化するはずがありません。

静止系からみても、等速運動系からみても、ミンコフスキー空間における2点の距離は変わらないということです。

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/pic90.png

ミンコフスキー空間における2点の間を、ちょっと線で結んでみました・・・

赤点であらわされた2点の間の距離。

青点であらわされた2点の間の距離。

実際には虚次元がからんだ空間内での距離なので、そんな距離は2次元的なマンガ図では絶対にあらわせないのですが・・・

青の線が赤の線、どっちが長いのか?

それを、どうしても絵的に理解したいというならば・・・

誤解をおそれずにいえば、

2点の間に存在する"「双曲線の数」"を考えるといいのです。

双曲線が、地図の等高線に見える人には、2点間の高低差とイメージするといいでしょう・・・(*ノv`)

もし、2点が同じ双曲線上にあるならば、⊿(s1- s2) = 0・・・

その2点のミンコフスキー空間的距離はゼロ、つまり2点は区別できなません(2点にみえているけど、実は同じ物体です)。

 

すなわち、2点のミンコフスキー空間的距離⊿(s1- s2)をどうしても絵的にイメージしたいならば、それは2点の間にある「双曲線の数」あるいは「高低差」のようなものであり、

重要なのは、その「双曲線の数」あるいは「高低差」は、観察者によらず同じになる・・・という理解です。

赤の線の高低差は、観察者によって変わらないし、青の線の高低差も観察者によって変わらないのです。

(赤の点の座標や青の点の座標は、観察者によって変わるのに・・・)

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/photo_20211124183501.png

 

この式は、当然、 ⊿(x1 - x2) = 0 のときにおいても成り立ちますが、

⊿(x1 - x2) = 0 というのは・・・、いいかえると、物体がその座標系において、x方向にじっとしていて位置を変えないということです。

x方向に動かなくても、時間はすすみます。

モノってのは、物理的に動いていないようにみえても、ある座標の上にどんなにじっとしていても、ミンコフスキー空間の中では時間の方向(虚次元の方向)に移動しています。

x方向にまったく動いていないとき、

⊿(x1 - x2) = 0

になります。

しかし、Space-Time Diagram(ミンコフスキー空間)上では、

x方向にまったく動いていないつもりでも、必ず、時間のt方向に動いています。

下図の物体Aがその例です。

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/pic75.png

x方向に静止しているつもりでも、時間が経過する限り、t方向には動いてしまいます。

位置(x 座標)は変わらなくても時間だけはどんどん進むからです。

じっとしているつもりでも、時間が進み、双曲線をどんどん乗り越えます。

⊿(x1 - x2) = 0 を、上記のややこしい式に代入すると、次の式が成り立ちます。

⊿(t1 - t2)2 - 02 = ⊿(s1- s2)2

⊿(t1 - t2) = ⊿(s1- s2)

つまり、じっとしていても、その物体の内部で時間が経過し、

その物体内部で経過した時間⊿(t1 - t2)が、⊿(s1- s2)である

ということです。

先ほど紹介したイメージでいえば、x方向に静止しているうちにのりこえた「双曲線の数」が⊿(s1- s2)・・・ということになります。

x方向にじっとしていても、時間の方向にはどんどん移動しているわけで、その移動中に、⊿(s1- s2)本の双曲線をのりこえた、ということになります。

同様に、等速で動いている観察者からみて、ある1点にとどまっている物体があるとき、

⊿(x1 - x2) = 0

とあらわされます。

その物体はSpace-Time Diagram上、やはり等速運動系におけるt'軸に平行に移動しているとみなされます。

そして次の式が成り立ちます。

⊿(t1 - t2)2 - 02 = ⊿(s1- s2)2

⊿(t1 - t2) = ⊿(s1- s2)

となり、やはり、等速運動している観察者からみて1点にとどまっている物体の、その内部で経過している時間⊿(t1 - t2) は、⊿(s1- s2)に等しいことになりました。

 

大事なことを言います。

つまり、観察者の視点が動いていようが静止していようが、

ある場所にじっとしている物体が、ミンコフスキーの時空間を虚次元(時間)の方向に移動する間に乗り越える双曲線の数は同じ・・・なんです。

結局、それぞれの座標系・・・というかあらゆる座標系で「じっとしている物体」の内部で経過していく時間は

⊿(s1- s2)

と表されます。

これを固有時⊿τといいます。

これを内部時間と考えると、これこそが、それぞれの座標系に依存しない"絶対時間"だと考えることができます。

結局、

|⊿(x1 - x2)2 - ⊿(t1 - t2)2 | = |⊿(x1 - x2)2 - ⊿(t1 - t2)2 |= ⊿(s1- s2)2

という式の意味は、

ある物体が、点1から点2に移動するのにかかった時間を計ると、その時間が観察系ごとに違うようにみえても、

ミンコフスキー空間でのりこえた「双曲線の数」あるいは「高低差」、すなわち絶対時間として考えると、座標系に依存しない空間時間的距離⊿(s1- s2)で表され・・・

逆に言うと、

物体がのりこえる「双曲線の数」を比較すれば、それぞれの時間経過の長短を比較することができる・・・

ということになるでしょう。

あなたが光速に近いロケットに乗ると、地球の人からはあなたはいつまでも若くみえるでしょう。

でも、ロケットに乗っているあなた自身が感じる年のとり具合(内部時間=あなたから見たロケット内の時計の進み方)は、実は地球上となんら変わらないのです。

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/photo_20211124183501.png

 

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【超解】アインシュタインの特殊相対性理論 これでわからなかったらあきらめよう! その2

 

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ところで・・・

双曲線(自然落下運動の軌道)が座標変換の影響をうけないということを利用して、この双曲線をグラフの目盛りとして使う

というアイデアがあります。

どういうことかというと・・・

この双曲線を使って下図のようなダイアグラムをつくってしまいます。

すると、複雑なローレンツ変換計算の手間がはぶけるのです。

(つたない図でもうしわけありません)

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/pic32.png

ある事象Aについて考えてみます。

あるAという星の爆発としましょう。

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/pic43.png

この星Aの爆発は、あなたからは、次のように観察されます。

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/pic44.png

双曲線がx軸、t軸と交差するところが目盛りです。

つまり、この事象Aは、およそ、3.3光年ぐらい先に存在する星Aが、今から約2.2年後に、爆発するイベントと認識されます。

 

では、星Aの方向に等速運動している別の観測者には事象Aはどのように認識されるでしょうか?

まず、観察者の移動によって、x'軸とt'軸の傾きがググっと歪みます。

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/pic45.png

そうすると、

移動中の観測者には、事象Aが上図のようにひずんだ軸によって認識されます。

双曲線は動きません。

この新たな座標で事象Aを読み取るには、

歪んだ軸と、双曲線の交差点を新たな目盛りとして読みとればいいだけです。

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/pic46.png

すなわち、この移動している観測者にとっては、

事象Aは、約2.4光年先の星Aが、今から0.8年後に爆発する

というイベントにみえることがわかります。

 

これがローレンツ変換です。

 

物理学者は難しい計算をしてこれらの数字を求めるのですが、

この双曲線ダイアグラムを使えば、

難しい計算をしなくてもいい

ことがわかります。

 

歪んだ(x', t')座標を直交に戻しても、事象Aを同一の双曲線に沿って移動させると読み取りの値は変わりません。 

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/pic46.png

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/pic52.png

つまり、観察者が移動しているなら斜交座標、静止しているなら、直交座標・・・

どちらの座標をつかっても、この観察者からみた事象Aは、約2.4光年先の星Aが、今から0.8年後に爆発する事象です。

 

結局、等速で動いていても、静止していても・・・読み取りの値に変化はないんです。

もっといえば、静止している観察者と、移動している観察者は、もはやどちらが静止しているかはわからないのです。

この2つの観察者は、どちらも静止しているのは自分だ、と思っているでしょう。

つまるところ、

この宇宙では、いったい誰が静止していて誰が動いているのかなんてわからないのです。

 

 

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最後に面白い話ひとつ。

このリンドラー座標の横軸tと縦軸xの座標軸の両方に、一定の力Fをかけてみます。

すると・・・

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/pic34.png

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/pic38.png

Fは単なる数字なので、Fを縦軸と横軸にかけても、グラフ自体の形は変わりません。

自然落下する物体に働く力(重力加速度)がかわっても、物体の自由落下のグラフが変化しないことをあらわしています。

グラフの形は変わりませんが、双曲線の式は、

x2 - t2 = s2

から、

(Fx)2 - (Ft)2 = (ある定数)2

へと、かわります。

縦軸 Fx はエネルギー e を、横軸 Ft は運動量 p をあらわします。

整理すると

(e)2 - (p)2 = (ある定数)2

になりました。

では、この(ある定数)とはなんでしょうか?

数学的には、この双曲線の頂点座標(切片)を表しているはずです。

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/pic35.png

結論を先に言うと、

この(ある定数)、すなわち切片、があらわしてるのは物体の 静止質量 (m0) なんです。

(証明は後述します)。

つまり、双曲線の式、

x2 - t2 = s2

は、実は、

(e)2 - (p)2 = (m02

という式と表裏一体なんですね。

自然落下する物体の運動は、その加速度にかかわらず、この式を保ちながら落下していくわけです。

しかも、その様子が観察者の運動によって変化しないということは、

(e)2 - (p)2 = (m02

という関係、すなわち、

(エネルギー)2  - (運動量)2  = (静止質量)2

という関係が、観察者の視点によらず、常に成立する

ことをあらわしています。

ここで・・・

(e)2 - (p)2 = (m02

の式をメートル法で計算できるように

e = E/c、m0 = m0c2/c = m0c

と単位補正すると・・・

(E)2 - (pc)2 = (m0c22

となります(注2)。

これは、あの超有名な特殊相対性理論の式

(E)2 = (m0c22 + (pc)2

です。

特殊相対性理論の式は

(E)2 - (pc)2 = (m0c22

という双曲線の式だったわけですね。

この双曲線が観察者に拠らず(相対的に)不変である(ローレンツ不変であるともいいます)

というのが特殊相対性理論の数学的な意味です。

(この式 (E)2 = (m0c22 + (pc)2 と、よく知られている E2 = mc2 の式の関係は別記事で解説しています)

 

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つづく

 

(注1)ローレンツ因子(γ)を図示すると、以下のようになります。ローレンツ因子(γ)とは、総エネルギー(E)と静止エネルギー(m0c2 )の比にほかなりません。

(注2)(e)2 - (p)2 = (m02 は、光速 c = 1 とする自然単位系で成立しています。これを地球人にわかるように補正(普通の単位系~メートル法に換算)すると、(E)2 - (pc)2 = (m0c22 になります。メートル?そんなの知るか!という宇宙人には、(e)2 - (p)2 = (m02 でOKです。というか、そもそも (e)2 - (p)2 = (m02 の方が宇宙的には正しいんです。

 

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【超解】アインシュタインの特殊相対性理論 これでわからなかったらあきらよう! その1

Spacetimelargenasa

 

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ビルの屋上から鉄球を落とすと・・・

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/pic0_2.png

危ないですが(苦笑)、とりあえず、この鉄球の様子を観察してみます。

 

この鉄球がおちていく様子を連写して時系列に並べると、こんな風になるでしょうか。

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/pic3.png

これをグラフにすると、下図のような放物線で表すことができます。

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/pic2.png

横軸が時間、縦軸が落下距離ですね。

高校物理で学んだような・・・

 

では、この鉄球を、一定の速度で「動いている」カメラで撮影したらどうなるでしょう?

 

たとえば・・・

鉄球が落ちる方向に「動いている」カメラで連写撮影すると、鉄球の運動はどのようにみえるでしょうか?

 

ちょっと、想像しづらいかもしれませんが、

鉄球の落ちはじめに、ほんの一瞬かもしれませんが上に向かって上昇するように撮影されるはずです。

グラフであらわすと、こんな感じ?

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/pic4.png

えっと、今、何が言いたいのかというと

撮影者がうごくとグラフがズレる

ということ。

 

なんか、物理が得意な人にとってはあたりまえな話でもうしわけありませんが、

動く観察者からみると、運動の様子は違ってみえる・・・

と、考えるのはごく普通のことです。

 

ところが・・・

アインシュタインによると、それは間違いなのだそうです。

 

どういうことでしょう・・・?

 

まず第一に、アインシュタインによると、

この落下曲線は、放物線ではありません。

高校物理で「落下運動=放物線」と教わった人たちには、

いきなり「はぁ???」な話ですよね\(;゚∇゚)/

でも、まぁ、こう考えてください。

そもそも、放物線って、実は円錐曲線Conic Sectionという曲線グループの一種なんです。

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/pic39.png

円錐曲線はどれも、グッとカーブしている部分は重なり合っていて、その部分ではほとんど区別がつきません。

なので・・・

局所的には、物体の落下運動は、放物線でも双曲線でも楕円でも、どれを使ってあらわしてもいいんです。

 

ニュートン力学では、

自然落下運動は放物線

という理解で何の問題もなかったんですね。

だから放物線ということにしてるだけで。

 

ところが・・・アインシュタインによると、この落下運動は

放物線ではなく双曲線

なのだそうです。

 

アインシュタインが言うには、

落下運動=放物線ってのは、あくまで(地球上とか、数分間という)限定的な観察であって、

この運動を、宇宙規模というか、光年単位というか、気の遠くなるような規模で観察すると、

その運動は双曲線である・・・と。

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/pic48.png

物体の落下運動は放物線ではなく、このような双曲線に従うという主張が、まさに相対性理論の根幹なんです。

(注意してほしいのは、横軸は時間です。地球上でボールを投げたときに観察される空間的な軌道のことを言っているのではありません。ちなみに、地球上で投げたボールの軌跡も実は正確には放物線ではなく、地球を中心とする楕円曲線(これもConic Sectionの一つ)になります。局所的には放物線でいいんですけどね(o^-^o))

グラフが原点=落下開始点を通らない理由は後述します。

そして、さらに驚くのは

このように、物体の落下運動を双曲線だと考えると・・・

静止している人が観察した落下運動も動いている人が観察した落下運動も、どちらも

同じ

だというのです。

どういうことでしょう?

この記事では、その理由をゆっくり解説します。

最後には、アインシュタインの思惑を完全に理解できているはずです。

 

まず・・・

じっとしている観測者の視点を座標(xt座標)にあらわしてみます。

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/pic15.png

次に、移動している観察者の視点を座標にしてみます(x't'座標)。

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/pic16.png

いきなり突拍子もない話ですが・・・

このように、特殊相対性理論によると、移動している観察者の座標軸は動くスピードにしたがって"歪み"ます。

これをローレンツ変換とか何とか言って、相対性理論を勉強している人は必ず計算させられたりします。

しかし、この記事の読者にその必要はありません。

何か知らないけど、歪むものだ・・・でOKです。

 

これだけ座標軸が変化するのですから、

観察者の視点によって、ものの見え方(座標)が違ってみえるはずですよね?

その通りです。

どのくらい違うのか、ある事象Aについてみてみましょう。

(めちゃくちゃ違うってことが言いたいだけなので、それがわかればここは飛ばしてもいいんですが・・・あとで大事なので、めんんどうでも次の5つのグラフ絵だけ見てください)

静止している観察者には、事象Aは、TA年後に距離XAの地点でおこる事象A(TA, XA)にみえます。これをグラフにあらわすと以下のようになります。

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/lorentz8.png

単純に考えてください。

TA年後に距離XAの地点でおこる事象A(TA, XA)です。

では、同じ事象Aを、等速運動をしている観察者がみると・・・どうみえるでしょう?

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/lorentz4.png

これも単純にグラフから読み取ってください。T'A年後に距離X'Aの時点で起こる事象A(T'A, X'A)・・・にみえます。

重ねるまでもなく、事象Aがおこるタイミング、距離がだいぶズレてしまうのが絵的にわかると思います。

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/lorentz5.png

ローレンツ変換の影響です。

実際に、動いている人からは、事象Aがどう見えているのかは、グラフを直交座標に戻してみるとよくわかります。

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/lorentz6.png

これが動いている人から見た事象Aです。もとのグラフと重ね合わせてくらべてみると・・・

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/lorentz7.png

観察者が静止しているか運動しているかによって、同じ事象Aが(TA, XA)にみえたり(T'A, X'A)にみえたりするわけです。

これは感覚的には、あたりまえといえばあたりまえな気もします。さほど驚くこともありません。

 

さて。ここからが本題です。

自然落下運動について考えてみましょう。

アインシュタインによると物体の落下運動は以下のような双曲線であらわされることは前述したとおりです。

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/pic7.png

同じ物体の落下運動を、等速移動している観察者の視点からみてみましょう。

そのようすは、歪んだx't'座標からみたものになります。

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/pic24.png

こんな感じです。

実際に、動いている人からは、この双曲線がどう見えているのでしょうか?

それは、このグラフを直交座標に戻してあげなければよくわかりません。

そこで、このグラフを直交座標に戻してあげます。すると・・・

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/pic25.png

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/pic26.png

あれれ?

直交座標に戻すと(動いている人の視点からみると)

同じ双曲線

になりました。

これが、アインシュタインが主張している内容です。

 

静止している観察者にとっても、移動している観察者にとっても、

落下運動は"同じ"曲線(双曲線)であらわせる・・・

これを専門用語で、物理法則はローレンツ変換に対して不変であると言ったりします。

 

つまり・・・物体の落下運動って・・・

ありとあらゆる観察者とって同じ双曲線なんです。

 

これこそが

物体の運動のようすは観察者によって変わらない(はず)

・・・という相対性理論の核心です。

 

考えてみてください。

人間ってのは、自分が動いているのか静止しているのか、

まわりの状況から判断します。

自分こそは宇宙の中で絶対に静止している存在だ・・・などと、断言できる人がいるでしょうか?

自分は静止していると信じていても、実は動いているかもしれません。

動いている人があそこにいる、と思っても、ほんとは

あっちが静止していて、自分のほうが動いているのかもしれない・・・

いや。

もはや、誰が静止していて、誰が動いているのか・・・そんなこと考えること自体が無意味です。

そんなことより(=動いていようがいまいが)、リンゴが木から落ちる様子に違いはない!

これが物理学者にとっては大切なことなのです。

 

誰もが、相対的な観察者である・・・これが、相対性理論の"相対性"という言葉の本質的な意味でしょう。

 

物体の落下運動(双曲線)がローレンツ変換に対して不変であることをあらわす動画も発見しました。百聞は一見に如かずです。

Animated_lorentz_transformation

(What is time? Does gravity actually slow down time? https://www.quora.com/What-is-time-Does-gravity-actually-slow-down-time#!n=12、Spoonfed Relativity. http://spoonfedrelativity.blogspot.jp/)

この双曲線とSpace-Time Diagramを組み合わせたダイアグラムがあります。リンドラー座標といいます。

250pxrindlercoordinates

 

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(つづく)

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