たぶんこの世で3番目ぐらいにやさしいテンソルの話 ~具体例をみてみる編~: スタディヘルプ

« 【図解】極座標基底によるベクトル表示 極座標表示との違い | トップページ | 【図解】イメージで理解する線積分 »

2021年2月19日 (金)

たぶんこの世で3番目ぐらいにやさしいテンソルの話 ~具体例をみてみる編~

テンソルの解説では、めったにみない具体例なテンソルの作り方を解説します。もしかしたらこんな解説、世界初?(苦笑)

ちなみに、記事で扱うテンソルは基本中の基本、2階のテンソルです。

なんでこんな解説を試みたのかというと・・・「テンソルの具体的な作り方」をみれば、「テンソルとは何か?」を感じることができるのでは?と思ったからです。

ステップ1〜15にわけました vヾ(´∀`○)ノ♪


ステップ1

次のような2つのベクトル(V1とV2)を用意します。

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/tensor20.png

ベクトルV1

2 3

ベクトルV2

6 -1

このベクトルV1とV2からテンソルをつくることにします。

単に成分同士を掛け合わせるだけ(テンソル積)です。

すると・・・

12 -2
18 -3

というテンソルができます。

しかし、これがほんとうにテンソルかどうか、正規直交座標のままではわかりません。

そこで・・・

 


ステップ2

まず、正規直交座標を「斜交座標1」に変換します。

これがテンソル解説の常套手段です。

ここでは、新しい斜交座標1の基底を以下のように設定してみましょう。

正規直交座標

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/tensor22.png

斜交座標1

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/tensor23.png

正規直交座標の基底ベクトルを(1,0)と(0,1)とすると、斜交座標1の基底ベクトルは(2,1)および(-0.5,0.25)となるような新しい座標です。

すると・・・ベクトルV1とV2の成分表示も変化します。

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/tensor20_20210725002001.png

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/tensor21_20210725002001.png

どのように変化するかというと、ベクトルの座標変換公式(後述)にしたがって・・・

ベクトルV1については、

反変表示は

2 4

共変表示は

7 -0.25

に変換されます。

反変表示、共変表示がよくわからないという人はこちらをご覧ください ⇒ 【図解】共変ベクトル・反変ベクトル。斜交座標では、2種類の表示があると思ってもらえば、ここではことたります。

 

同様に、ベクトルV2については、

反変表示は

1 -8

共変表示は

11 -3.25

に変換されます。

 

ベクトルV1とV2の成分変換は、以下の成分変換行列にしたがいます(公式があります)。

0.25 0.5
-1 2

また、もとの正規直交座標系の計量テンソルを

1 0
0 1

とすると、斜交座標1の計量テンソルは

5 -0.75
-0.75 0.3125

と決まります(公式があります)。

 


ステップ3

これらの斜交表示されたベクトルV1とV2から、テンソルをつくりましょう。

単に成分同士を掛け合わせるだけ(テンソル積)です。

斜交座標1でのベクトルV1とV2の表示を再掲します。

ベクトルV1の反変表示

2 4

ベクトルV1の共変表示

7 -0.25

 

ベクトルV2の反変表示

1 -8

ベクトルV2の共変表示

11 -3.25

これらのベクトルからつくられるテンソルは以下の4つです。

1.反変ベクトルV1と反変ベクトルV2のテンソル積によって造られた反変反変テンソルV12

2 -16
4 -32

2.反変ベクトルV1と共変ベクトルV2のテンソル積によって造られた反変共変テンソルV12

22 -6.5
44 -13

3.共変ベクトルV1と反変ベクトルV2のテンソル積によって造られた共変反変テンソルV12

77 -22.75
-2.75 0.8125

4.共変ベクトルV1と共変ベクトルV2のテンソル積によって造られた共変共変テンソルV12

7 -56
-0.25 2

4種類のテンソルV12が造られました。

でも、この4つ・・・ほんとにテンソルでしょうか?

それを確かめるために・・・

 


ステップ4

さらに新しい「斜交座標2」を設定します。

めんどくさいのですが、こうするのが常套手段なんです。

たとえば、斜交座標1の基底ベクトルを(1,0)と(0,1)とすると、新しい座標ではその基底ベクトルが(2,1)および(1,3)となるような斜交座標2を設定してみます。

斜交座標1

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/tensor23.png

斜交座標2

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/tensor24_20210725014501.png

すると・・・ベクトルV1とV2の成分表示も変化します。

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/tensor21_20210725002001.png

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/tensor25_20210725014501.png

どのように変化するかというと、ベクトルの座標変換公式(後述)にしたがって・・・

ベクトルV1の反変表示は

0.4 1.2

共変表示は

13.75 6.25

に変換されます。

 

ベクトルV2も、その反変表示は

2.2 -3.4

共変表示は

18.75 1.25

に変換されます。

 

ちなみに、ベクトルV1とV2の成分変化は、以下の成分変換行列にしたがっています(公式があります)。

0.6 -0.2
-0.2 0.4

また、斜交座標1の計量テンソルを

1 0
0 1

とすると、

斜交座標2の計量テンソルは

5 5
5 10

です(公式があります)。

 


ステップ5

このベクトルV1とベクトルV2から新たにテンソルをつくります(これらの新しいテンソルが、さきほど作ったテンソルと同じになるかどうか?を気にしています)。

 

つくられるテンソルは以下の4つです。つくり方は成分同士を単に掛け合わせるだけ(テンソル積)です。

1.反変ベクトルV1と反変ベクトルV2のテンソル積によって造られた反変反変テンソルV12(新)

0.88 -11.36
2.64 -4.08

2.反変ベクトルV1と共変ベクトルV2のテンソル積によって造られた反変共変テンソルV12(新)

7.5 -0.5
22.5 1.5

3.共変ベクトルV1と反変ベクトルV2のテンソル積によって造られた共変反変テンソルV12(新)

30.25 -46.75
13.75 13.75

4.共変ベクトルV1と共変ベクトルV2のテンソル積によって造られた共変共変テンソルV12(新)

257.8125 17.1875
117.1875 7.8125

4種類のテンソルV12(新)ができました。

さて・・・

 


ステップ6

考察です。

ベクトルV1とV2から斜交座標1でつくられた

4種類のテンソルV12

反変反変テンソルV12

2 -16
4 -32

反変共変テンソルV12

22 -6.5
44 -13

共変反変テンソルV12

77 -22.75
-2.75 0.8125

共変共変テンソルV12

7 -56
-0.25 2

 

と、斜交座標2でつくられた

4種類のテンソルV12(新)

反変反変テンソルV12(新)

0.88 -11.36
2.64 -4.08

反変共変テンソルV12(新)

7.5 -0.5
22.5 1.5

共変反変テンソルV12(新)

30.25 -46.75
13.75 13.75

共変共変テンソルV12(新)

257.8125 17.1875
117.1875 7.8125

は、成分が違ってみえます。

 

しかし、元はと言えば、どちらも同じベクトル(V1とV2)からつくられたものです。

なので、同じテンソルのはずです。

であれば、これらのテンソルの間には、座標変換にともなうベクトルの成分変換と同じ理屈で、座標変換にともなうテンソルの成分変換式が存在し、互いの関係はその変換式に従うはずだ

という話をしています。

あたりまえと言えばあたりまえのような・・・しかし、ここがテンソル理解の要です。

そもそも、そういう成分変換式に従って成分を変換させる数字のセットをテンソルという、という定義もあるぐらいですから。

変換式が存在しなければ、斜交座標1でつくられた

4種類のテンソルV12

と、斜交座標2でつくられた

4種類のテンソルV12(新)

は、同じテンソルではないどころか、そもそもテンソルであることすら否定されます。

で、結論はどうなのかというと、

たしかに、このテンソルV12とテンソルV12(新)の間には、変換式があります。

その変換式は以下のようになります。

 

反変反変テンソルV12 を 反変反変テンソルV12(新)に変換する

変換式1

0.36 -0.12 -0.12 0.04
-0.12 0.24 0.04 -0.08
-0.12 -0.04 0.24 -0.08
0.04 -0.08 -0.08 0.16

反変共変テンソルV12 を 反変共変テンソルV12(新)に変換する

変換式2

1.2 0.6 -0.4 -0.2
0.6 1.8 -0.2 -0.6
-0.4 -0.2 0.8 0.4
-0.2 -0.6 0.4 1.2

共変反変テンソルV12 を 共変反変テンソルV12(新)に変換する

変換式3

1.2 -0.4 0.6 -0.2
-0.4 0.8 -0.2 0.4
0.6 -0.2 1.8 -0.6
-0.2 0.4 -0.6 1.2

共変共変テンソルV12 を 共変共変テンソルV12(新)に変換する

変換式4

4 2 2 1
2 6 1 3
2 1 6 3
1 3 3 9

変換式の作り方は注1を参照してください。

ここでは、この変換式で本当にテンソルV12の成分がきちんと変換されるのかどうかを確認してみます。

たとえば、斜交座標1の反変反変テンソルV12

2 -16
4 -32

を、変換式1

0.36 -0.12 -0.12 0.04
-0.12 0.24 0.04 -0.08
-0.12 -0.04 0.24 -0.08
0.04 -0.08 -0.08 0.16

に掛け合わせてみると・・・

0.88 -11.36
2.64 -4.08

となります。

これは、確かにベクトルV1とV2のテンソル積から造った反変反変テンソルV12(新)

0.88 -11.36
2.64 -4.08

と一致しています。これは偶然ではありません。ほかのテンソルV12でもこのようになります。

 

テンソルの定義は、

1.テンソル積で造られたもの

2.変換式で変換できるもの

3.ベクトルに作用させるとベクトルをつくるもの

の3つがありますが、このようにテンソル積で造られたもの(1)は必ず変換式で変換できます(2)。

ここへんを少し詳しくみたい人はこちらをご参照ください ⇒ たぶんこの世で二番目にやさしいテンソルの話 ゆる~く計算してみる編~

 


ステップ7

実は、正規直交座標と斜交座標1の間にも、テンソルの成分を変換する変換式が存在します。以下の通りです(注2)。

 

反変反変テンソルを反変反変テンソルに変換する

変換式1

0.0625 0.125 0.125 0.25
-0.25 0.5 -0.5 1
-0.25 -0.5 0.5 1
1 -2 -2 4

反変共変テンソルを反変共変テンソルに変換する

変換式2

0.5 0.25 1 0.5
-0.125 0.0625 -0.25 0.125
-2 -1 4 2
0.5 -0.25 -1 0.5

共変反変テンソルを共変反変テンソルに変換する

変換式3

0.5 1 0.25 0.5
-2 4 -1 2
-0.125 -0.25 0.0625 0.125
0.5 -1 -0.25 0.5

共変共変テンソルを共変共変テンソルに変換する

変換式4

4 2 2 1
-1 0.5 -0.5 0.25
-1 -0.5 0.5 0.25
0.25 -0.125 -0.125 0.0625

変換式のつくりかたについては(注2)をご参照ください。

 

余談ですが、ステップ1で、

ベクトルV1

2 3

ベクトルV2

6 -1

からつくられたテンソル

12 -2
18 -3

に、これらの変換式1~4を掛け合わせると、ベクトルV1とV2から斜交座標1でつくられた4種類のテンソルV12

反変反変テンソルV12

2 -16
4 -32

反変共変テンソルV12

22 -6.5
44 -13

共変反変テンソルV12

77 -22.75
-2.75 0.8125

共変共変テンソルV12

7 -56
-0.25 2

が再現されます。

 


ステップ8

いったん正規直交座標に戻りましょう。

そして・・・

適当な4つの数字のセット

4 -1
5 3

を用意します。

これをテンソルT1とします。

ランダムな数字のセットです。

 

このテンソルT1は、どうやっても、もとの2つのベクトルに分解できません。

なぜならテンソル積(ベクトル⊗ベクトル)によって造られたものではなくランダムな数字のセットだからです。

このようなランダムに造られたテンソルにも、前述の変換式1~4は、使えるのでしょうか?

どのようにすればそれを確認できるでしょう???

それを確かめるために・・・

 


ステップ9

正規直交座標で用意されたテンソルT1

4 -1
5 3

に、ベクトルV1(どんなベクトルでもOKです・・・)

2 3

を掛け合わせてみます。すると、べクトルV3

5 19

がつくられます。

今やったことは、

テンソルT1 × ベクトルV1 = ベクトルV3

という、なんてことはない計算です。

しかし、この計算

テンソルT1 × ベクトルV1 = ベクトルV3

が、座標系が異なっても成り立つか?を気にしています。

もし成り立てば、先ほどのランダムな数字のセット

4 -1
5 3

がたしかにテンソルであると言えるからです。

どういうことかというと・・・

座標系が変化するとベクトルV1とベクトルV3の成分表示は変化してしまいますよね。それでも、

テンソルT1 × ベクトルV1 = ベクトルV3

は、成り立つのか?という話です。

いや、テンソルT1の成分表示をそのままにしていては成り立つはずがありません。

なので、この問題は、もし

テンソルT1 × ベクトルV1 = ベクトルV3

という関係を座標系に依存せず常に成り立たせるためには、テンソルT1を、どのように成分変換すればいいのか?という問題です。

 


ステップ10

正規直交座標を「斜交座標1」に変換してみます。

すると・・・

ステップ2でやったように、正規直交座標におけるベクトルV1

2 3

は、斜交座標1で反変表示

2 4

と共変表示

7 -0.25

になります。

 

正規直交座標のベクトルV3

5 19

は、斜交座標1では反変表示

10.75 33

と共変表示

29 2.25

になります。

 


ステップ11

では、正規直交座標に用意されたテンソルT1

4 -1
5 3

を座標変換すると、どうなるでしょうか?

ステップ7で求めたテンソルの成分変換式1~4を掛け合わせればいい気がしますが、一つ問題が。

このテンソルT1はいったい何テンソルなんでしょう?

すなわち、成分変換式1~4のどの変換式を使えばいいのでしょうか?

 

結論を言うと、実は、正規直交座標で作られたテンソルはその種類を区別する必要がありません。

つまり、テンソルT1

4 -1
5 3

は、反変反変テンソルでもあり、反変共変テンソルでもあり、共変反変テンソルでもあり、共変共変テンソルでもあるのです。

正規直交座標では、それらを区別する必要がありません。

なので、テンソルT1

4 -1
5 3

には、テンソルの成分変換式1~4のすべてを作用させることができ、その結果、テンソルT1の斜交座標1表示は下記の4つが得られます。

反変反変テンソルT1

1.5 -1
5 8

反変共変テンソルT1

8.25 -1.4375
19 -1.25

共変反変テンソルT1

3.75 -11
0.4375 3.25

共変共変テンソルT1

27 -6.25
-0.25 0.6875

これで座標変換された4種類のテンソルT1が得られました。

 


ステップ12

面白いことに、斜交座標1の

ベクトルV1の共変表示

7 -0.25

を反変反変テンソルT1

1.5 -1
5 8

に作用させると、新しいベクトルV3の反変表示

10.75 33

が得られます。

 

ベクトルV1の反変表示

2 4

を反変共変テンソルT1

8.25 -1.4375
19 -1.25

に作用させると、ベクトルV3の反変表示

10.75 33

が得られます。

 

ベクトルV1の共変表示

7 -0.25

を共変反変テンソルT1

3.75 -11
0.4375 3.25

に作用させると、新しいベクトルV3の共変表示

29 2.25

が得られます。

 

ベクトルV1の反変表示

2 4

を共変共変テンソルT1

27 -6.25
-0.25 0.6875

に作用させると、新しいベクトルV3の共変表示

29 2.25

が得られます。

 

つまり、斜交座標1でも、

テンソルT1 × ベクトルV1 = ベクトルV3

は見事に成り立たっている、と言えます。

これは偶然ではありません。

逆に言うと、斜交座標1で

テンソルT1 × ベクトルV1 = ベクトルV3

を成り立たせるテンソルの変換式は、先ほどの変換式1~4でいいのです。

 


ステップ13

さらに、斜交座標1を「斜交座標2」へ座標変換してみましょう。すると・・・

斜交座標2では、ベクトルV1の反変表示は

0.4 1.2

共変表示は

13.75 6.25

になります。

 

ベクトルV3の反変表示は

-0.15 11.05

共変表示は

60.25 35.75

になります。

 


ステップ14

ステップ6で求めた変換式(テンソルV12の成分表示を斜交座標1から斜交座標2へ変換する変換式1~4)をテンソルT1

反変反変テンソルT1

1.5 -1
5 8

反変共変テンソルT1

8.25 -1.4375
19 -1.25

共変反変テンソルT1

3.75 -11
0.4375 3.25

共変共変テンソルT1

27 -6.25
-0.25 0.6875

に作用させてみます。

すると、以下の4つのテンソルT1(新)に変換されます。

反変反変テンソルT1(新)

0.38 -0.86
0.34 1.02

反変共変テンソルT1(新)

1.6875 -0.6875
11.6875 5.3125

共変反変テンソルT1(新)

8.5125 -9.0875
3.2875 -1.5125

共変共変テンソルT1(新)

95.6875 18.3125
48.3125 13.6875

4種類のテンソルT1(新)が造られました。

 


ステップ15

面白いことに、斜交座標2のベクトルV1の共変表示

13.75 6.25

を反変反変テンソルT1(新)

0.38 -0.86
0.34 1.02

に作用させると、斜交座標2におけるベクトルV3の反変表示

-0.15 11.05

が得られます。

 

ベクトルV1の反変表示

0.4 1.2

を反変共変テンソルT1(新)

1.6875 -0.6875
11.6875 5.3125

に作用させると、斜交座標2におけるベクトルV3の反変表示

-0.15 11.05

が得られます。

 

ベクトルV1の共変表示

13.75 6.25

を共変反変テンソルT1(新)

8.5125 -9.0875
3.2875 -1.5125

に作用させると、斜交座標2におけるベクトルV3の共変表示

60.25 35.75

が得られます。

 

ベクトルV1の反変表示

0.4 1.2

を共変共変テンソルT1(新)

95.6875 18.3125
48.3125 13.6875

に作用させると、斜交座標2におけるベクトルV3の共変表示

60.25 35.75

が得られます。

 

このように、斜交座標2でも、

テンソルT1 × ベクトルV1 = ベクトルV3

は見事、成り立っています。

これも偶然ではありません。

逆にいうと、やはり

テンソルT1 × ベクトルV1 = ベクトルV3

を成り立たせるテンソルの変換式は、先ほどの変換式1~4でいいのです。

つまり、変換式1~4は、ランダムなテンソルに対してもそれを適切に成分変換することができます。

 

テンソルにはこのように座標を超越した線型的な性質や作用が認められます。というか、そのような性質や作用をあわせ持つ数字のセットをテンソルというわけです。

専門書では、これらの説明を、記号や添字を使って、ほんの数行で終わらせます。

本記事は、そこのところに、ちょっとしたヘルプ、具体的な解説ができないかな?と思って書いてみました。

書き始めはこんな大変な作業になるとは思いませんでした。計算が思ったよりめんどくさかったです。

たぶん、数学の得意な人が読んだら「ご苦労様・・・」と一笑に付されると思います。もしかしたら、この世で3番目ぐらいに無駄なテンソルの話になってしまったかもしれません・・・(:-))| ̄|_ぐったり

(おしまい)


(注1)

斜交座標1から斜交座標2へのベクトルの成分変換行列

A'

0.6 -0.2
-0.2 0.4

と、その逆行列

B'

2 1
1 3

を用意し、A'⊗A'、A'⊗B'、B'⊗A'、B'⊗B'・・・と、それぞれの成分をひとつひとつ掛け合わせていくと、本文中にも掲載した以下の4つの変換式1~4が手に入ります。

 

反変反変テンソルV12 を 反変反変テンソルV12(新)に変換する

変換式1

0.36 -0.12 -0.12 0.04
-0.12 0.24 0.04 -0.08
-0.12 -0.04 0.24 -0.08
0.04 -0.08 -0.08 0.16

反変共変テンソルV12 を 反変共変テンソルV12(新)に変換する

変換式2

1.2 0.6 -0.4 -0.2
0.6 1.8 -0.2 -0.6
-0.4 -0.2 0.8 0.4
-0.2 -0.6 0.4 1.2

共変反変テンソルV12 を 共変反変テンソルV12(新)に変換する

変換式3

1.2 -0.4 0.6 -0.2
-0.4 0.8 -0.2 0.4
0.6 -0.2 1.8 -0.6
-0.2 0.4 -0.6 1.2

共変共変テンソルV12 を 共変共変テンソルV12(新)に変換する

変換式4

4 2 2 1
2 6 1 3
2 1 6 3
1 3 3 9

 

(注2)

正規直交座標から斜交座標1へのベクトルの成分変換行列

A

0.25 0.5
-1 2

と、その逆行列

B

2 -0.5
1 0.25

を用意し、A⊗A、A⊗B、B⊗A、B⊗B・・・と、それぞれの成分をひとつひとつ掛け合わせていくと、本文中にも記載した以下の4つの変換式1~4が得られます。

 

反変反変テンソルを反変反変テンソルに変換する

変換式1

0.0625 0.125 0.125 0.25
-0.25 0.5 -0.5 1
-0.25 -0.5 0.5 1
1 -2 -2 4

反変共変テンソルを反変共変テンソルに変換する

変換式2

0.5 0.25 1 0.5
-0.125 0.0625 -0.25 0.125
-2 -1 4 2
0.5 -0.25 -1 0.5

共変反変テンソルを共変反変テンソルに変換する

変換式3

0.5 1 0.25 0.5
-2 4 -1 2
-0.125 -0.25 0.0625 0.125
0.5 -1 -0.25 0.5

共変共変テンソルを共変共変テンソルに変換する

変換式4

4 2 2 1
-1 0.5 -0.5 0.25
-1 -0.5 0.5 0.25
0.25 -0.125 -0.125 0.0625

 


余談1

反変共変テンソルは、反変ベクトル表示を異なる座標の反変ベクトル表示に変換するテンソルです。

本文中では、反変共変テンソルT1(新)は、反変共変テンソルT1

8.25 -1.4375
19 -1.25

に、変換式2

1.2 0.6 -0.4 -0.2
0.6 1.8 -0.2 -0.6
-0.4 -0.2 0.8 0.4
-0.2 -0.6 0.4 1.2

を作用させて造りました。

しかし、

反変共変テンソルT1(新)

1.6875 -0.6875
11.6875 5.3125

は、反変共変テンソルT1

8.25 -1.4375
19 -1.25

にベクトルの成分変換行列

F

0.6 -0.2
-0.2 0.4

と、その逆行列

F-1

2 1
1 3

を掛け合わせて

反変共変テンソル(新)=(F-1)(反変共変テンソル)(F)

として求めることもできます。

変換式2でも、この方法でも、同じ反変共変テンソル(新)

1.6875 -0.6875
11.6875 5.3125

が得られます。

 


余談2

正規直交座標の計量テンソル

1 0
0 1

に、斜交座標1で共変共変テンソルを得る変換式4

4 2 2 1
-1 0.5 -0.5 0.25
-1 -0.5 0.5 0.25
0.25 -0.125 -0.125 0.0625

を作用させると、斜交座標1の計量テンソル

5 -0.75
-0.75 0.3125

が得られます。ということは、斜交座標1の計量テンソルは共変共変テンソルだということです。

斜交座標1の基底を新しく

0 1

 

1 0

と定義すれば、斜交座標1の計量テンソルは

1 0
0 1

になります。その計量テンソル

1 0
0 1

に、斜交座標1の共変共変テンソルを斜交座標2の共変共変テンソルに変換する変換式4

4 2 2 1
2 6 1 3
2 1 6 3
1 3 3 9

を作用させると、斜交座標2の計量テンソル

5 5
5 10

が得られます。このような観察からも計量テンソルは共変共変テンソルの性質を有していることがわかります。

事実、計量テンソルはテンソル積「共変基底⊗共変基底」で求めることができます。

 


余談3

計量テンソル

5 5
5 10

 

は、ベクトルの成分変換行列の逆行列

F-1

2 1
1 3

 

と、その転置行列

F-1・T

2 1
1 3

 

を、正規直交系の計量テンソル

1 0
0 1

掛け合わせて

計量テンソル=(F-1・T)(F)(正規直交系の計量テンソル)

として求めることもできます。

« 【図解】極座標基底によるベクトル表示 極座標表示との違い | トップページ | 【図解】イメージで理解する線積分 »

スタディヘルプ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 【図解】極座標基底によるベクトル表示 極座標表示との違い | トップページ | 【図解】イメージで理解する線積分 »

2021年7月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

免責事項と著作権

  • 本ブログについて
  • ブログ内記事検索

最近のトラックバック