【図解】計量テンソルと格子定数・・・ちょっとだけ共変微分(´~`)
斜交座標があるとします。
こういう斜交座標は、次の3つで定義できます。
赤の長さ、青の長さ、赤と青の間の角度。
これを格子定数といいます。
計量テンソル(the metric tensor)と同じ情報量をもっています。
ちょっとだけ共変微分(´~`)
共変微分とはベクトルの微分なんですけど、ただの微分ではなく格子定数(計量テンソル)の影響を加味した(あるいは取り除いた)微分です。
どういうことかというと・・・
格子定数(計量テンソル)は、座標が平面かつ座標軸が直線であれば、その座標系全体において一定不変です。
そういう座標で格子定数(計量テンソル)を微分するとゼロになります。
しかし、もし。
座標が曲がったりしている場合には(極座標など)、格子定数(計量テンソル)の微分はゼロになりません。
つまり、格子定数(計量テンソル)の微分がゼロかどうかで「座標の歪み」がわかります。
そう考えるのは自然なことです。
これが共変微分 ∇のアイデアにつながります。
ごくごく簡単に説明してみると・・・
(専門家の先生には突っ込みどころ満載かもしれませんが(汗))
ベクトルが変化しているかどうかを調べるのがふつうのベクトルの微分 ∂(V)です(注)。
ふつうのベクトルの微分∂(V) がゼロであればベクトルに変化なし、 ゼロでなければベクトルに変化あり・・・
と考えます。
ところが、座標が歪んでいる場合にはそうとは言えません。
座標が歪んでいる場合には「座標の歪み」の影響を加味する(または取り除く)必要があります。
先ほども言いましたが、座標の歪みは格子定数(計量テンソル)の微分で表すことができます。
そこで、格子定数(計量テンソル)の微分を Γ(ガンマ)としましょう。
すると、
∂(V)+ Γ(ガンマ)
の値が、ほんとうのベクトルの変化に相当することになります。
このようにふつうのベクトルの微分 ∂(V)を、格子定数(計量テンソル)の微分 Γ(ガンマ) によって補正した微分を共変微分 ∇といいます。
共変微分 ∇ の具体的な方法についてはこちらをご覧ください。
共変微分 ∇ の結果、
共変微分 ∇ ≠0であればベクトルはほんとうに変化しています。
共変微分 ∇ =0なら、ベクトルは変化していません。座標が歪んでいる場合、ベクトルが変化しているようにみえるかもしれませんが、斜交定数(計量テンソル)の影響を取り除くと、同じ大きさと方向を持っています。違ってみえるのは、格子定数(計量テンソル)が違うから、すなわち、面が曲がっているか、座標軸が曲がっているからです。
ちなみに共変微分 ∇ はテンソルで、座標軸の影響をうけません。すなわちある座標系で共変微分 ∇ が0なら、あらゆる座標系で0になります。∂(V)も Γ(ガンマ) もテンソルではないのに、両者を足すとテンソルになるというのはなんかとても不思議です。
注:たとえばベクトルの式 V=(2x, 3y)であれば、下図のように、ベクトルの方向や大きさが、一見、座標点ごとに違ってみえますよね。でも、それほんとに違うの?格子定数のせいじゃないの?という疑問に答えるのが共変微分です。下図をみて、すべての矢印はほんとうは全部同じ方向、同じ大きさを向いているのではないか?土台になっている座標面のほうが湾曲してるんじゃない?という問いかけがテーマになっています。
リンク:アインシュタインの一般相対性理論
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