【図解】極座標基底によるベクトル表示 極座標表示との違い: スタディヘルプ

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2021年1月31日 (日)

【図解】極座標基底によるベクトル表示 極座標表示との違い

正規直交座標があるとします。

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/16_20210131182401.png

こういう座標では、基底はどこでも同じ大きさと方向をもっています。なので・・・

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/17_20210131182401.png

下図のようなベクトルの大きさと方向を表示しようとすれば

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/1_20210131171801.png

どの基底を選んでも

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/18_20210131182401.png

結果は

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/19_20210131182401.png

同じになるでしょう。しかし、下図のような極座標では

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/38.png

基底の大きさや方向が

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/42_20210205103801.png

ところによってバラバラです。なので、

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/40_20210205103801.png

前述のベクトルの大きさや方向を極座標基底で表示しようとすると

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/41_20210205103801.png

どの基底を選ぶかで結果が変わってきます(ベクトルを動かしているような絵が気になる方は座標系の方をズラして動かしている・・・と考えてください)。

たとえばもし、次の基底を選べば

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/25_20210131182402.png

前述のベクトル(2,3)は、

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/26_20210131182401.png

ベクトル(3.23,0.8)と表示されます。

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/32_20210131225501.png

これが"極座標基底によるベクトル表示"です。

(おしまい)


・・・w(゚o゚)w・・・

ちょっと、結論を急ぎすぎたかもしれません(汗)。もう少し丁寧に説明すると・・・このとき選ばれた "基底の場所" をあらわす極座標が(r,θ)なんです。

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/43_20210205161201.png

まず、この極座標基底(erとeθ)を正規直交基底(exとey)を使って変換します。

考え方は下図を参照ください。

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/31_20210131184701.png

極座標基底(erとeθ)の場所が、正規直交基底(exとey)の原点から(r,θ)だけ離れていることに注意してください。

極座標基底によるベクトル表示とは、

正規直交系のベクトル(A,B)が、この「正規直交基底(exとey)であらわされた極座標基底(er,eθ)」で、どう表されるか?

という問題です。答えは、

(Acosθ + Bsinθ -(A/r)sinθ + (B/r)cosθ)

です(注1)。

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/polar-translation.png

(A,B)は正規直交座標での表示で(2,3)のような数値の組み合わせ、あるいは(2x+y, x-y)のような関数でも構いません。

前出の図からもわかるように

er = (cosθ,sinθ)= (cosθ)ex + (sinθ)ey

eθ =(-rsinθ,rcosθ)= -r(sinθ)ex + r(cosθ)ey

となるように erとeθ を決定しています。ルール上、erとeθは直交し、erのサイズは「1」、eθのサイズは「r」と決まっています。

たとえば極座標(r,θ)= (2,0.52)を起点とする基底を選ぶと、正規直交系のベクトル(2,3)は・・・

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/32_20210131225501.png

ベクトル(3.23,0.8)とあらわされます(注2)。すなわち、

2ex + 3ey  = 3.23er + 0.8eθ

です。

これは偶然そうなっているのではなく、そうなるようにerやeθを決定しているのです。これが"極座標基底によるベクトル表示"の意味です。

もう一つ例をあげておくと、たとえば正規直交系のベクトル(4,-1)を同じ極座標基底で表示すると、ベクトル(2.96,-1.43)になります。

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/36_20210204023101.png
すなわち

4ex - 1ey  = 2.96er - 1.43eθ

が成立します。

こうすることによって、ベクトル表示を局所極座標上、テンソルとして扱うことができるようになります(テンソルってなに?という方はこちらをご参照ください)。

 

ちなみに・・・

ベクトルを下図のように単純に極座標で表示したものは、"極座標基底によるベクトル表示"ではありません(なので、当然、テンソルにもなりません)。

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/28_20210131182401.png

注意しましょう(注3)。

 



(注1)

正規直交座標パラメータ(ⅹ,y)から極座標パラメータ(r,θ)への座標変換は、公式に従うと、以下のようになります。

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/300.png

ここで

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/301.png

ですから・・・

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/302.png

です。結果として、以下の成分変換式が成り立ちます。

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/318.png

くどいようですが・・・

ベクトル(A,B)は正規直交座標であらわされたベクトルです。

そのベクトルの起点が(x,y)です。この起点(x,y)を極座標表示であらわすと起点(r,θ)です。

その起点に設置されているのが極座標基底(er、eθ)です。

ルール上、erとeθは直交し、erの方向はr方向、サイズは「1」、eθのサイズは「r」と決まっています。

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/43_20210205161201.png

この極座標基底(erやeθ)を使うとベクトル(A,B)はどう表されるのか?という問題です。

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/26_20210131182401.png

その答えは、

(Acosθ + Bsinθ -(A/r)sinθ + (B/r)cosθ)

です。

ベクトル(A,B)の極座標表示を知りたいのではありません。

 

(注2)

ベクトル(3.23,0.8)は反変表示です。その共変表示は(3.23,3.16)です。したがって、ベクトルのサイズは不変に保たれています。

√(22+32)= √13

√((3.23)*(3.23)+(0.8)*(3.16))=√13

 

(注3)

たとえば、ベクトル(2,3)の極座標表示(r,θ)は(3.61,0.98)、ベクトル(4,-1)の極座標表示(r,θ)は(4.12,6.04)だから・・・

2ex + 3ey  = 3.61er + 0.98eθ

4ex - 1ey  = 4.12er + 6.04eθ

などとしても、そういうerやeθは見つかりません。そもそも極座標表示(r,θ)は ベクトルではありません。極座標表示(r,θ)と"極座標基底(erやeθ)によるベクトル表示"の違いにはくれぐれも注意しましょう。


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