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2020年1月30日 (木)

【問題】速度が一定ではない問題

100mを走るとしよう。

何秒かかるかな?

 

一生懸命考える前に「速度は?」と質問するセンスがいるよ。

 

えっと、速度一定・・・だったら小学生でもできる簡単な問題になってしまうね・・・

 

なので、だんだんスピードアップする問題にしよう!

スタートした瞬間は 0m/s、1秒後は1m/s、2秒後には2m/sって感じで、時間ごとにだんだん加速していくんだ。

これだと何秒でゴールできる?

 

かんたんすぎる?

 

じゃぁ・・・

スタート地点では0m/s、スタートから1mのところでは1m/s、2mのところでは2 m/s・・・って具合に距離ごとに加速するとしたら?

これだと、何秒でゴールできる?

さっきのと、どっちがはやい?

 

こういう「変化する速度」を扱うのが高等数学(微分積分)なんだよね。

 

解答

一応、記事中の問題に対する解答例を示しておきますね。計算間違い等あればどうかやさしくご指摘ください(苦笑)。

 

<前半の問題>

速度を数式であらわすと・・・

v(t) = t m/sec

時間 t までに走った距離を x とすると、必ず

速度 v(t) は dx/dt となるので

dx/dt = t

dx = t dt

この微分方程式を解いて

∫dx = ∫t dt

(あるいは、速度を時間で積分したもの = ある時間tまでに進んだ距離なので、速度を時間で積分すると・・・と考えると)

x = ∫t dt = (1/2)t2 + C

初期条件より

C = 0、および t 秒後に x = 100m なので

(1/2)t2 = 100

これを解いて

t = 10√2

100メートルを通過するのは、約14.1421356・・・秒後だよね。

100mの地点(ちょうどゴール地点)の速度は、14.1421356・・・m/s。

 

<後半の問題>

速度を数式であらわすと・・・

v(x) = x m/sec

時間 t までに走った距離を x とすると

速度 v(x) は dx/dt となるので

dx/dt = x

この微分方程式を解くと

(1/x)dx = dt

∫(1/x)dx = ∫dt

ln(x) = t + C

初期条件より

C = 0、および t 秒後に x = 100m なので

ln100 = t

これを解くと(ln100を計算機で求めると)

t = 4.605170・・・

100メートルを通過するのは、約4.605170・・・秒後だよね。

だんだん加速していって、10mのところでは10 m/s、100mの地点(ちょうどゴール地点)では100 m/s。

後者の方が断然はやいね!

 

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