あたまのちから 分数の問題
ある日、Y君は弟のK君と妹のMちゃんを連れて、おばあちゃんのおうちに遊びに出かけました。
おやつの時間にリビングにいくと、テーブルのお皿に団子が並んでいます。お皿の横には、おばあちゃんの手書きと思われるメモがおいてありました。みると、「Y君へ。学校で習った分数を使って、Y君が2分の1、K君が3分の1、Mちゃんが9分の1になるように3人で分けてください。ただし、団子を割ってはいけませんよ」と書いてあります。
「もう、めんどうくさいな~」と、ちょっと不満げなY君ですが、問題をだされると、ついつい解かずにはいられません。「こんなの簡単じゃん。まず・・・」と、団子の数を数えてみると、「全部で17個。えっ ・・・?」
K君とMちゃんは、ちょっと困った顔をしているY君のことなどおかまいなし。
「何て書いてあるの?」「はやく食べようよ」
「ちょ、ちょっと待って。。。」とY君は少しあせりながら考えました。「数え間違い?どう考えても割り切れないし・・・」
「もう食べちゃうよ」とK君は半分機嫌を損ねかけています。
一方、Mちゃんは、Y君が17個の団子を8個と9個にわけたり、6個と6個と5個にわけたりしているのが面白いのか、ちょっかいを出してニコニコしています。
17は、2でも、3でも、9でも割れません。さぁ、困ったY君、どうしたらいいのでしょう?
答えは、続きで。
答え
Y君が困っていると、おじいちゃんがあらわれました。
「どうしたのかな?」と、どこかいたずらな笑みを浮かべながら聞くおじいちゃんに、Y君はちょっとくやしそうに答えます。
「おばあちゃんが、団子を2分の1、3分の1、9分の1に分けるように書いてるんだけど、団子が全部で17コしかなくて。これじゃ割り切れないよね、絶対」
すると、おじいちゃんは、「そうかそうか」
と、どこからともなくもうひとつ団子をだしてきて、17コのだんごの横に置きました。
「これで全部で18コだ。そうすると、Y君の取り分は全体の1/2だから9コだね」と、Y君に9コの団子をとりわけました。
これでお皿に残っている団子は9コです。
「K君は1/3だから6コだ」
これで残った団子は3コになりました、
「そしてMちゃんには1/9の2コあげよう」
最後に団子が1つ残っています。
「この1つは、もともとおじいちゃんのだから返してもらうよ」
と、お皿の上に残った団子をひょいと手にとり「これで一件落着」と食べてしまいました。
おいしそうに団子を食べるK君、Mちゃん、おじいちゃん。
食卓ではおばあちゃんがみんなの様子を楽しそうに眺めながらお茶を飲んでいます。
Y君ひとりだけが、どこか腑に落ちない顔をしています。
みなさんは、正解、わかりましたか?(v^ー゜)
解説
実は上記の答え―――
正解でもなんでもなく、とんちです!
そもそも、2分の1、3分の1、9分の1
これを全部足しても、実は、1になりません。
全部たしたら1になるかどうかを必ず確かめる・・・これは確率や場合分けを考える際に非常に大切なことです。
このストーリーででてくる分数の合計をみてみると・・・
1/2 + 1/3 + 1/9 = 17/18
にしかならないんですね。
つまり、全体の数が何であっても、この比率で分けると、必ず全体の1/18だけ余りがでるんです。
つまり、18をこの比率で分けると、ちょうど1余りがでます。
今回の話は、このことをふまえた、算数のとんちです。
この他にも、
1/2 + 1/4 + 1/6 = 11/12
や
1/2 + 1/3 + 1/8 = 23/24
を利用して、
だんご11個を、2分の1、4分の1、6分の1にわける頓知や、だんご23個を2分の1、3分の1、8分の1にわける頓知も可能です。
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