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2017年2月 7日 (火)

ラプラスの法則を・・・ゆる~く証明してみました

ラプラスの法則とは

表面張力Tは半径Rと内圧Pの両方に比例する

T ∝ P・R

あるいは、表面張力Tが一定なら、半径Rと内圧Pは反比例する

P ∝  T/R

という法則です。

 

ざっくばらんな証明1

下図のような、半径Rの風船のような球を想定します。

球の内側と外側の圧力差を外向きにPとします。

Cocolog_oekaki_2017_02_07_21_38

次に、以下のようなイメージで、この球の表面上のあらゆる線分に表面張力T(長さ1mあたり)が作用しているとします。

Cocolog_oekaki_2017_02_08_13_14

この表面張力Tが、さきほどの圧力Pと釣り合っているため、球の大きさが一定に保たれている・・・と考えます。

どう考えるのかというと・・・


表面張力って?という人は⇒こちら


球の表面に、一辺の長さMの正方形を想定します(球の表面が曲がっているので正確には正方形ではありませんが・・・)。

Cocolog_oekaki_2017_02_07_21_42

すると、この正方形に内側と外側からかかっている力Dは、圧力差P x 面積ですから、

D = P・M2

になります。

 

また、

表面張力Tは長さ1mあたりにかかる力ですから、

この正方形の一辺Mあたりにかかっている力Fは、

F = T・M

であらわされます。

Cocolog_oekaki_2017_02_07_21_49

ここで都合よく、正方形の内側に向かう力はお互いに打ち消しあうと考えます。

ここらへんがゆる~いですね、この証明(笑)。

すると、正方形の外側にかかっている力だけが残ります。

 

ここで、この正方形を下図のように2つに切り、横からみてみます。

Cocolog_oekaki_2017_02_07_21_54

この力Fは、球の水平方向の成分Fyと、球の垂直方向の成分Fxにわけられます。

Cocolog_oekaki_2017_02_08_00_06

すると、Fy成分は互いに打ち消しあい、Fx成分だけが残ることになります。

これが正方形に内側と外側からかかっている力Dと釣り合うわけです。

 

Fxの求め方ですが、

球の中心から正方形の一辺の長さをみたときの角度をθとすると、

Fx = F sin(θ/2)

になります。θが十分小さければ、sinθ =θですから、

Fx = F sin(θ/2) = F・(θ/2)

と近似できます。

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/cocolog_oekaki_2017_02_07_22_02_2_2.png

 

この球がある大きさで安定しているということは・・・

この正方形に内側から垂直にかかっている力Dと、

この表面張力の垂直方向への成分が釣り合っている

ということ。

正方形の4辺に4つのFが作用していることを思い出してください。

力Dは、4つの力 F の垂直成分Fxとつりあっていることになります。

Cocolog_oekaki_2017_02_15_17_01

つまり、

D = 4・Fx

ということになります。

 

前述の、

D = P・M2、Fx = F・(θ/2) と、

D = 4・Fx を連立させると、

P・M2 = 4・F・(θ/2)

P・M2 = 2F・θ

 

ここで、中心角θ、円弧m、半径Rの関係式 θ = M/R を使うと、

P・M2 = 2F・(M/R)

P・M = 2F/R

 

前述したように、F = T・M ですから、

P・M = 2(T・M)/R

P = 2T/R

2T = P・R  

T ∝ P・R  

となります。

 

Q.E.D.

・‥…━━━☆

 

ざっくばらんな証明2

下図のように半径Rの球を想定します。

Cocolog_oekaki_2017_02_07_22_23

球の内側と外側の圧力差を外向きにPとします。

Cocolog_oekaki_2017_02_07_21_38

次に、この球の表面上のあらゆる線分に表面張力Tが作用しているとします。

Cocolog_oekaki_2017_02_08_13_14

球を上下半分に切るような円周Lを想定します。

Cocolog_oekaki_2017_02_07_22_26

この円周上に作用している表面張力が球の上半分と下半分をひきつけています。

Cocolog_oekaki_2017_02_15_12_42

球の上半部を下方向へひきつけている力Fを表面張力Tを使ってあらわすと、

F = L・T

F = 2πR・T

になります。

https://remedics.air-nifty.com/photos/hawaii/cocolog_oekaki_2017_02_07_22_45.png

ここで、

この球の上半部を下方向へひきつけている力Fは、圧力Pによって、球の上半分を上方へ押しげられる力ともバランスしている

と考えます。

 

球の上半分を上方へ押しげられる力とは、

下図をよ~くみてイメージを膨らませるとわかるとおもいますが、

結局、球の断面積に圧力Pをかけたものに等しくなります。

Cocolog_oekaki_2017_02_07_22_37

 

円周率をπとすると断面積はπR2ですから、

球の上半分を上方に持ち上げる力をDとすると、

D = πR2・P

この上方への力Dと下方への力Fが釣り合っていますので、

πR2・P = 2πR・T

R・P = 2T  

R・P ∝ T

Q.E.D.


補足図

https://remedics.air-nifty.com/photos/uncategorized/photo.png

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コメント

日本で循環器内科医をやっているものです。力Fを分解したFxは求心成分ではありませんがθ→0によりほぼ求心成分と近似できるという解釈でよろしいでしょうか。また接線(接面)方向の力をこのように分解するのは常套のことなのでしょうか。稚拙な質問であればご容赦を。

中川先生:コメントありがとうございます。おっしゃる通り、微小曲面を考えていますので、θ≒ 0(しかしゼロではない)ですから垂直成分≒求心成分と考えます。また、記事本文末の補足図にお示ししましたように、円上の近接する2点における2つの接線には必ず角度θ(ゼロではない)のずれがありますので、このずれが垂直成分を生むのだと考えられます。一方ではゼロと考え他方ではゼロではないと考える・・・ちょっと都合がいいといえば都合がいい考え方かもしませんね(汗)。二つのバランスしている力を、互いに打ち消しあう成分とその垂直方向にわけて考えるのはわりとよくある手法だと思います。

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